School of Humanities and Social Sciences早稲田大学 文学部

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コースの紹介

Russian Studies

ロシア語ロシア文学コース

「脱中心化」時代の新しいロシア像を知る

ロシア語ロシア文学コースは、戦前からの早稲田大学のロシア文学専修の伝統を受け継ぎ、日本におけるロシア語・ロシア文学研究の最前線を牽引するユニークなコースです。

ロシアは帝政からロシア革命を経てソビエト連邦となり、その後ソ連が崩壊して現在に至るまで、激しい転変をくぐり抜けてきました。ロシア文化の分析においては、ロシア正教、マルクス主義、ソビエト構造主義といったさまざまなイデオロギーや方法論が用いられてきましたが、それらも現在「脱中心化」の大きな波に洗われており、ロシアは、私たちの前にまったく新しい姿を現そうとしています。

一方で、民謡・民話などのフォークロア、『イーゴリ軍記』に代表される中世文学、プーシキン、ゴーゴリ、トゥルゲーネフ、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、パステルナーク、ソルジェニーツィンといった巨匠たちの芸術は、時代を超えて生き続け、その輝きを今も失っておりません。それらの文学には、新しい時代の視点に立った、新しい読み方や解釈の余地もたくさん残っています。

さらに、ロシアは、最も近いヨーロッパとして日本と深いかかわりを持ち続けてきた国でもあります。「トロイカ」や「カチューシャ」などのロシア民謡は、あたかも日本の歌のようにカラオケでも歌うことができます。

本コースは、ロシア語の習得と伝統的なロシア文学の知識を踏まえ、新しい時代に即応した、新しいロシア文化・文学像の獲得に努めていきます。ロシア文学の核心には「人が生きることとは何か」という根源的な問いかけがあります。ロシア文学を研究することは、最終的には文学にとどまらない広がりを持った思考、視野を身につけることにほかならないのです。

進級者受入方針

ロシアやその周辺地域の文学、芸術、文化に関するごく基礎的な知識、学術的な文章を読み書きする力、ロシア語の初級程度の文法知識、ロシア語で表現する力を習得していることが望ましい。また「語学だけ」、「文学だけ」ではなく、さまざまな分野に関心を持ってほしい。近年ではモスクワやサンクトペテルブルグ、極東地域などに留学するコース生も多くなっているが、実社会で使えるレベルの語学力、高いコミュニケーション能力を身につけたい学生や、文学、音楽、美術、映画、演劇、バレエ、文学理論などについて深く理解し、さらにはロシアだけでなく、日本や世界の文化、芸術も分析できるような広い視野と柔軟な思考力の獲得を目指す、積極的な学生を受け入れていきたい。

教育課程編成方針

2年次生

必修演習では、ドストエフスキーやトルストイ、ゴーゴリなど、ロシアの文学史の中でもとりわけ重要な作家、また文化や歴史を考えるうえでも必読の作品や、昔話や民謡といったフォークロアを原文で講読していく。1年次で習得したロシア語の基本文法についての理解をより確実なものとするのはもちろんだが、文章読解のために必要な中級、上級レベルの文法も習得する。さらに、資料収集のために必要なPCでのロシア語の入力や検索方法など、ロシア語の運用、コミュニケーションの可能性も学んでいく。必修講義では、映画や美術、演劇といったロシアの文化史、文化や文学の理論、宗教や思想なども学びながら、「ロシア」を総合的にとらえる能力を養う。さらにロシア語作文やネイティブ教師による会話の授業などで、ロシア語での表現力の向上も図っていく。

3年次生

必修演習では国民的作家プーシキンをはじめとする19世紀文学(小説、詩、戯曲)を扱う。ロシアの文学、芸術についての履修者による研究発表とディスカッションが中心となるが、合わせて社会、歴史、世界情勢、国民意識、出版や検閲など作品を生み出す背景についても考察していく。さらにロシアフォルマリズムやバフチンといった文学、文化を読み解くための理論や、日本やその他の国々の文学、芸術との関係も考えながら、より広い視野の獲得を目指す。必修講義では、ロシアの現代文学、中世文学についての知識を深める。また、ロシア語への言語学的アプローチを学ぶ講義や、留学や大学院進学を目指す学生のための上級レベルのロシア語科目、小説や詩をより詳細に読み解く少人数の演習も用意されている。3年次では各自が卒業論文の計画書を作成し、本人の希望に基づいて指導教員を決定する。

4年次生

必修演習では、アヴァンギャルド、社会主義リアリズム、ポストモダン、女性文学といった20世紀、現代の様々なジャンルの文学作品を講読、分析し、受講者の研究発表も行う。また、中世、18世紀の文学作品が以降の作品に与えた影響について考察する必修演習もある。4年次生にとっては、コースにおけるこれまでの専門学習の集大成として卒業論文の執筆という最も重要な作業がある。指導教員ごとの卒論演習があり、教員の適切なアドヴァイスのもとで履修者は自らの研究テーマについての発表を順番に行う。履修者同士の意見交換も参考にしつつ、それぞれが独自の視点で卒業論文を完成させていく。コースでは、卒業論文を発表する場も用意されている。

演習テーマキーワード

ロシア語ロシア文学コースの演習テーマについて紹介しています。

  • 語学
  • フォークロア
  • 中世・18世紀文学
  • 19世紀の文学
  • 現代文学
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