School of Humanities and Social Sciences早稲田大学 文学部

フランス語フランス文学コースでは、狭い意味でのフランス文学研究に限らず、映画・演劇をふくむ広くフランス語圏一般についての研究を行うことができます。会話・作文などフランス語の実用的な運用能力を養成することにも力を注ぎ、フランス語を用いて自己表現できる発信型の人間の育成を目指しています。その一助として、フランス語ネイティヴの教員の授業に加え、コース室での交流・歓談の機会を設けています。

本コースの初年度、すなわち学部2 年次は、学習の基礎作りに充てられます。1年次で身につけた語学力をさらに向上させながら、中世から現代までのフランス文学・文化の概要を学んでいきます。3年次からは、言語・文学・文化のいずれかに重心を置いて科目履修することができます。多様なジャンルやテーマに関する少人数での専門演習や、中世・ルネサンス期の文学、フランス言語学、フランス小説・詩・思想などの専門講義から選択して受講します。興味をもった主題については専門演習科目でさらに研鑽を深め、自主的な調査・研究を積み重ねながら卒業論文の作成へと繋げていきます。在学中にフランス語圏への留学を希望する学生のために、何箇所もの交換留学先が用意され、1年間留学した場合でも、単位認定制度により、4年間で卒業することも可能です。

フランス語を学ぶこと、フランス文学・文化を理解することは、多元的価値観と柔軟で複眼的なものの見方を体得することでもあります。フランス語フランス文学コースで得られる知識や体験は、人生の長きにわたって、生活に潤いと安らぎと楽しみをもたらす地下水脈や湧水のような役割を果たすに違いありません。

フランス語フランス文学コースは，フランス・フランス語圏に興味があればすべての方を歓迎します。すでに本コースは1935年より「仏英独語に通じピアノにも堪能」な女子聴講生を受け入れており，積極的に人材を受け入れる古くからの伝統があります。フランス文学にかぎらず，映画・演劇・音楽などあらゆる芸術の分野でフランスの影響が昔から大きいこと，これは誰も否定できないでしょう。これらに少しでも興味があれば，フランス語という道具を通して，ぜひ本コースをめざしてほしいと思います。そのためには，フランス語の鍛錬が重要です。1年次生はぜひ基礎語学を身につけて，そして既習者はさらにフランス語力に磨きをかけてください。交換留学生としてフランス語圏で1年間勉強する方も，その多くはフランス語フランス文学コースの学生です。ぜったいにお勧めいたします。

2年次生

2年次生は一般に必修科目が多いものですが，フランス語フランス文学コースは演習が3コマ，文学史が1コマを必修として，あとは自由に登録できるようになっています。2-4年次をとおして，選択講義（Ⅱ）（1年次からとれる科目もあり）や選択外国語科目（フランス語関連科目）から4コマとることになっています。フランスの歴史・社会，言語学，映画・映像論などの講義のほか，話す・書く・聞く・読むというプラティックの力をつける語学クラス，フランス語関連の資格をめざしたり，留学の準備をするクラスもそろっています。これらを各自自由に選択できるのも，本コースの特色です。本を読んだり映画をみたり音楽を聴いたりフランス語でおしゃべりをしたり，自由な時間を満喫しておいてください。

3年次生

3-4年次生は，演習3コマ，選択講義（I）から1コマとることになっていますが，4年次は卒業論文執筆その他で忙しくなりますから，主として3年次に高度な講義・演習を受講することになるでしょう。フランス語フランス文学コースは，学生の自由な研究を勧めるとともに，専門的な分野をきわめるための確固としたカリキュラムがそろっています。これまでの2年間にたくわえた力を発揮する時期です。卒業論文のテーマを決めるためにも，すこしずつ専門に特化した研究を進めておいてほしいと思います。

4年次生

1-4年次に受講することになっていた科目以外には，卒業論文作成のためのゼミがあるのみです（卒論演習）。演習では各自が自分の選んだテーマについて何回か発表（プレゼンテーション）を行い，教員をふくむ参加者全員で意見を述べあいながら，少しずつ論文の形に整えていく必要があります。4年間の集大成ですから，気を抜かないで研究に精進する必要があります。

フランス語フランス文学コースの演習テーマについて紹介しています。

• フランス語（専門力強化・フランス人教員によるコミュニケーション演習・研究入門）
• フランス語学
• フランス文学（詩・小説・思想）
• フランス文化（現代のフランス・映画・演劇など）
• 卒業論文作成指導