Research Theme 研究テーマ
市民に信頼される次世代ジャーナリズムのモデル構築研究(▽エンゲージド・ジャーナリズム▽データ・ジャーナリズム▽偽情報・誤情報対策▽ファクトチェック▽メディア・リテラシーなど)
Research Director 所長
Member メンバー
- 瀬川 至朗 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター特任教授、早稲田大学名誉教授
- 澤 康臣 教育・総合科学学術院教育学部教授
- 高橋 恭子 政治経済学術院政治経済学部教授
- 田中 幹人 政治経済学術院政治経済学部教授
- 土屋 礼子 政治経済学術院政治経済学部教授
- 中村 理 政治経済学術院政治経済学部准教授
- 青木 紀美子 NHK放送文化研究所メディア研究部研究主幹
- 大矢 英代 ジャーナリスト、カリフォルニア州立大学フレズノ校人文科学部メディア・コミュニケーション・ジャーナリズム学科アシスタント・プロフェッサー
- 奥山 俊宏 上智大学文学部新聞学科教授
- 日下部 聡 毎日新聞東京本社論説委員
- 島袋 夏子 琉球朝日放送営業ビジネス統括本部コンテンツビジネス局コンテンツビジネス部副部長
- 臺 宏士 ライター
- 高橋 弘司 ジャーナリスト横浜国立大学大学非常勤講師
- 田島 知之 フェリス女学院大学文学部非常勤講師/FCTメディア・リテラシー研究所理事
- 田中 裕 東京福祉大学特任講師
- 千葉 偉才也 国立大学法人福島大学
- 永井 健太郎 早稲田大学現代政治経済研究所特別研究員
- 中澤 雄大 ジャーナリスト、大正大学非常勤講師
- 西村 寿子 関西大学講師(非常勤)
- 野呂 法夫 東京新聞編集局編集委員
- 松原 文枝 テレビ朝日ビジネスプロデュース局イベント戦略担当部長
- 山下 由里子 株式会社岩波書店(編集局)
- 吉岡 忍 ノンフィクション作家、日本ペンクラブ前会長
- 吉田 美智子 朝日新聞ネットワーク報道本部記者
研究キーワード
次世代ジャーナリズム, データ・ジャーナリズム, メディア・リテラシー, エンゲージド・ジャーナリズム, ファクトチェック, 偽情報, 誤情報,
研究概要
ジャーナリズムの役割は、市民の「知る権利」に応え、民主主義の維持に貢献することだといわれる。しかし、ネット社会を迎えて情報が多様化する中、従来のマス・メディアに対する市民の信頼感は低下している。一方でフェイクニュースや真偽不明の情報がインターネット上で拡散し、市民の健全な判断を惑わしかねない事態となっている。ネット社会において新しいジャーナリズムとメディア(ジャーナリズム活動がおこなわれる媒体)のあり方が模索されている。
本プロジェクト研究では、第一期に引き続き、ネット社会において、市民に信頼される次世代ジャーナリズムの研究に取り組む。市民の信頼を得るためのジャーナリズムの要件としては「科学性(evidence based)」「記録性」「公開性」「双方向性」などが考えられる。具体的には、「偽情報・誤情報とファクトチェック」を対象とする研究部会と「次世代ジャーナリズム」を対象とする研究部会を設置して研究を進める。
「偽情報・誤情報とファクトチェック」の分野では、とくに、偽情報・誤情報の問題を中心に据えて、その問題にジャーナリズムとメディアの観点から、どう取り組んでいくのかを研究していく。本研究所では、イギリスに本拠をおく非営利組織 GDI(Global Disinformation Index)と共同で調査研究報告書「偽情報のリスクアセスメント:日本のオンラインニュース市場」を作成し発表した。この報告書を受けて、日本におけるデジタル広告の偽情報対策として、報告書が採用している GDI の評価手法を用いた、より広範なオンラインサイトのアセスメントの必要だとする声が出ている。そのような動きと連携して、本研究所が、日本のメディアの偽情報リスクアセスメント研究の中心となることで、よりよい評価手法の開発や日本におけるオンラインニュース市場の偽情報リスクの的確な把握が可能になると考える。
「次世代ジャーナリズム」の分野では、引き続き、NHK 放送文化研究所と連携し、次世代ジャーナリズム連続講座をオンラインなどで開催する。国内外の事例を収集して分析し、次世代ジャーナリズムについてのモデルを構築していく。
また、次世代ジャーナリズムの一つの柱として「データ・ジャーナリズム」を取り上げ、事例分析などの研究を進める。その際、データ・ジャーナリズムを「社会科学的手法の応用としてのジャーナリズム」と位置づけ、本研究所が、ジャーナリズムの質の向上を目指す研究者と実務家を結ぶハブになることを構想する。