Research Theme 研究テーマ
戦後 81 年。「平和に対する脅威」を日常生活の中で肌身に染みて感じ、「平和」をこれほど求めたことはあっただろうか。 ロシア・ウクライナ戦争、イスラエルによるガザ地区への攻撃、米国による対外軍事行動など、 大国と言われた国々が自ら 国際法を逸脱し、他国の主権および市民生活を侵害し、それが正当化される傾向が強まっている。また、グローバル・サプライチェーンの下で就労する労働者や外国人労働者に対する搾取および暴力も 深刻化している。さらに、 SNS上で拡散されるフェイクニュースや誹謗中傷は、排外主義の高まりを助長し、選挙結果等の民主的プロセスにも重大な影響を及ぼしている。加えて、グローバル経済がもたらす収奪や搾取の影響は、女性、子ども、外国人労働者等、社会的に脆弱な立場に置かれた人々に集中している。このような状況は、現代における「平和の危機」と位置づけられる。
本研究所はこうした「平和を脅かす要因」の発生要因および、 構造を明らかにするとともに、「構造的暴力」や「文化的暴力」等、平和学が蓄積してきた理論的知見を活用し、積極的平和の実現に向けた学際的研究および情報発信を行う。これにより、平和研究の発展に寄与するとともに、市民に開かれた研究所としての役割を果たすことを目指す。
Research Director 所長
Member メンバー
- 奥迫 元 社会科学総合学術院社会科学部准教授
- 小松 寛 文学学術院文化構想学部准教授
- 利根川 佳子 社会科学総合学術院社会科学部准教授
- 堀 芳枝 社会科学総合学術院社会科学部教授
- 李 泳采 韓国外交部駐大阪総領事
- 岩井 雪乃 特定非営利活動法人アフリック・アフリカ
- 上村 英明 恵泉女学園大学名誉教授
- 内海 愛子 大阪経済法科大学アジア太平洋センター特任教授
- 川口 徹
- 川崎 哲 ピースボート共同代表
- 齊藤 小百合 恵泉女学園大学人間社会学部教授
- 佐藤 幸男 富山大学名誉教授、広島大学平和センター客員研究員
- 高橋 哲哉 東京大学名誉教授
- 徳森 りま 新時代アジアピースアカデミー事務局
- 山本 剛 独立行政法人国際協力機構中部センター市民参加協力課課長
- 楊 志輝 恵泉女学園大学
研究キーワード
研究概要
本研究所は、 1973 年に設立された平和学会(PSAJ)の会長に故西川潤名誉教授が就任したこと、ならびに早稲田大学社会科学部において平和学関連科目が開設されたことを契機として、早稲田大学が平和学研究のさらなる発展に寄与することを目的に設置されたものである。今日の混迷する国際情勢を踏まえると、本研究所が「平和を脅かす要因」の発生要因および構造を解明し、平和学が蓄積してきた理論的知見を活用して積極的平和の実現に向けた学際的研究を推進するとともに、学内外の平和研究者や NGO、市民との学際的交流を深化させる必要性は、かつてないほど高まっている。
本研究所では、年に一度の公開シンポジウムを開催している。加えて、研究所主催の研究会として、学内外から講師を招き、核と平和、東アジアの平和をはじめ、世界各地の諸問題をテーマとした研究会や講演会を実施する 。
所員はそれぞれの専門分野にもとづき研究を進めると同時に、研究会を通じて研究交流を活発に行う 。所員による研究プロジェクトは、安全保障理論研究、沖縄研究、核軍縮、戦後賠償、 憲法と平和、 フィリピンの経済成長と女性労働、アフリカにおける国際協力と NGO、タンザニアにおけるゾウ獣害対策など、多岐にわたる。これらに関する公開研究会も順次開催する予定である。
現在は、日本および東アジアの平和を主題とする研究会を継続的に開催しており、その成果をまとめた書籍の刊行を目指している。