Research Theme 研究テーマ
(1) SOGI(性的指向・性自認)の調査研究に携わる研究者および実務家のネットワーク構築
(2) SOGIの量的データの領域横断的分析による知の積み上げ
(3) SOGIの量的調査の方法論研究およびベストプラクティスの開発
(4) 研究成果の社会還元およびSOGIの調査研究に関するワンストップ的体制の土台づくり
Research Director 所長
Member メンバー
- 釜野 さおり 社会科学総合学術院社会科学部教授
- 田辺 俊介 文学学術院文学部教授
- 野口 晴子 政治経済学術院政治経済学部教授
- 山内 昌和 教育・総合科学学術院教育学部教授
- 風間 孝 中京大学教養教育研究院教授
- 河口 和也 広島修道大学人文学部人間関係学科教授
- 小山 泰代 国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部第三室長
- 三部 倫子 奈良女子大学研究院人文科学系准教授
- 申 知燕 お茶の水女子大学基幹研究院准教授
- 武内 今日子 関西学院大学社会学部助教
- 千年 よしみ 国立社会保障・人口問題研究所(国際関係部、特任主任研究官)
- 服部 保志 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 平森 大規 法政大学グローバル教養学部助教
- 藤井 ひろみ 大手前大学国際看護学部教授
- 布施 香奈 国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部第3室長
研究キーワード
ジェンダー・セクシュアリティ 性的マイノリティ LGBTQ+ SOGI統計 ジェンダー統計 社会調査 SOGIデータ研究拠点
研究概要
性的マイノリティ(LGBTQ+)をとりまく社会情勢は大きく変化しています。日本においては1990年代から性的マイノリティを扱う学術研究が行われるようになり、性的指向と性自認のあり方(SOGI)に基づく格差が家族、学校、職場、医療現場、地域など、社会のさまざまなところに存在していることが明らかにされつつあります。こうした状況を受け、国・自治体や企業、教育現場等において性的マイノリティに対する施策が検討・導入されるにあたり、数量データに基づくエビデンスを求める声が高まっています。
SOGI調査研究所では、SOGIによる差別や格差の実態を明らかにし、それらの解消に資するべく、これまでなかった日本におけるSOGIに関する量的調査の研究拠点の基盤作りをめざし、次の課題に取り組みます。
(1) 研究者、シンクタンク、NPO、実務家、国・自治体等の関係者のネットワーク作り
SOGIの量的調査やデータ分析を行う国内外の研究者・グループ、活動・業務の一環でSOGIに関する調査を行うNPOや自治体、データを活用する実務家等、領域・職種・地域横断的な研究ネットワークを構築し、EBPMにも資する国内外の学術交流拠点をめざします。
(2) 量的データの系統的・総合的分析による知の積み上げ
研究所員が過去に収集した数々のデータに加え、他の研究者・グループ、自治体、NPO等による調査データを、実施者・主体と共同で、もしくは二次利用申請を行なって、さまざまな視点から分析し、SOGIの量的研究を深化させます。分析を進めるにあたっては、ジェンダー統計全般、ジェンダー・セクシュアリティ分野全般に位置付け、人種、国籍、障害の有無・程度、家族状況等の軸との交差性にも焦点を当てます。
(3) 量的調査の方法論的研究およびベストプラクティスの開発
各自・各グループが蓄積してきた調査のノウハウをネットワーク内で共有し、SOGIを扱う調査についての方法論的検討を行います。具体的には、社会調査において個人のSOGIをたずねる設問の精緻化に資する研究、実査経験に基づく各種調査方法(無作為抽出調査、クローズド型ウェブ調査、オープン型ウェブ調査など)を評価する研究を進め、社会調査でSOGIを扱う際のベストプラクティスをまとめます。
(4) 研究成果の社会還元および調査研究に関するワンストップ的体制の土台づくり
研究成果をウェブサイトや公開セミナーおよび書籍出版を通じて広く社会に還元します。その実践を通じて、社会からのフィードバックを研究の深化と社会還元機能の一層の充実に生かします。たとえば、ある団体がSOGIに関する調査を実施したい場合、本研究所にアクセスすれば適切な企画が立てられるような資料や助言を提供できるといった、ワンストップ的機能を備えた体制を企画します。また必要に応じてその調査で得られたデータの分析助言を行い、成果を実践的課題の解消や調査研究の発展につなげられる体制をめざします。
本研究の次のステップに備え、世界的なSOGI研究の拠点ともいえるThe Williams Instituteや、他のテーマを扱う研究拠点の活動および体制を参考にし、日本のSOGI研究において同様の組織を設ける準備を進めます。
・SOGIの人口学(2023年度までの研究)
・2019年実施の大阪市民調査のサイト
・2023年実施の全国SOGI調査のサイト
・2015年および2019年の性的マイノリティについての意識調査のサイト