開催日時
2021年7月12日(月)12:15-12:50
場所
ZOOMウェビナー
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
加藤 丈太郎 (早稲田大学アジア太平洋研究センター助教)
報告テーマ
COVID-19下における「政策なき政策」
―日越間を移動する技能実習生、送り出し機関、監理団体への調査から―
要旨
COVID-19は人の国際移動にも影響を及ぼした。本研究は日越間を移動する技能実習生、送り出し機関、監理団体へのインタビュー調査から、「COVID-19下で約4万人のベトナム人がベトナムに帰国できない中、なぜ日本政府は新たに約3万人のベトナム人技能実習生を受け入れたのか」を問う。2020年5月以降に行った、ベトナム人技能実習経験者24名、送り出し機関9名、監理団体4名、計37名へのインタビュー結果を分析する。
ベトナムでは自国民を含めた入国制限が続いており、日本で技能実習期間を満了してもベトナムに帰れない者が存在した。彼/彼女らは、在留資格を「特定活動」へ変更し引き続き日本に留まっていた。「特定活動」を有するベトナム人は2020年末で41,331人(前年比+551%)と急増している。
在留資格「特定活動」の急増は、COVID-19を受けて “Policy of No Policy”(政策なき政策)(Tervonen and Enache 2017)を取る日本政府の姿勢を反映していた。研究会では、日本政府がなぜ帰国困難者への政策よりも、新たな技能実習生の受け入れを優先したのか、技能実習制度におけるアクターのナラティブを元に論ずる。