研究テーマ
「イスラームと国家」に関するインドネシア語重要文書の翻訳プロジェクト
The translation project of “Islam and State” documents from Indonesian to Japanese
代表者
見市 建教授
①研究目的/②研究の意義/③運営方法/④期待される成果
①日本語におけるインドネシア政治およびイスラーム関連文書の蓄積と出版
インドネシアの現代政治史を、独立・スカルノ体制期、スハルト体制期、民主化期の3つに分け、それぞれの時代を彩る政教関係についての論考や演説を翻訳し、これに解題をつける。全体を通して、同国の政治的変遷とイスラーム思想の発展が理解できる一冊として出版する。
②東南アジア政治に関する教科書は数年おきに発行されている。他方で、東南アジアの大国であるインドネシア政治について、通史的に理解するような書籍は日本語では過去20年あまり非常に手薄になっている。したがって、同国の現代を歴史的な視点を踏まえて考察する機会は、研究者においても限られている。まして一般社会においては、歴史的に関係が深い隣国の理解が決定的に欠けている。また、インドネシアは独自のイスラーム思想を発展させてきたが、日本のイスラーム研究は中東地域に偏重している。中東研究者のあいだでも、インドネシアが思想的「先端」を走っていることは薄々知られているものの、この実態を知るものは少ない。本書は、こうした知的状況を改善し、今後の地域研究の間口を広げ、一般社会における理解を深める意義がある。
③④4人のセンター員がそれぞれ翻訳し、解題をつけた原稿を持ち寄って意見交換、原稿を改善する。研究代表者が編集、序論を執筆、2024年度中に出版する。