研究テーマ
比較国際教育政策
Policy Analysis of Comparative and International Education
代表者
黒田 一雄教授
(1)研究目的
本研究部会の研究目的は、多様な展開を見せる国際的な教育活動(援助・交流・連携)の全体像を把握したうえで、国際機関や各国政府の国際教育政策・戦略を、多様な指向性の観点から分析し、国民国家や国益を基とする教育観と、グローバルな教育開発の成果や国際社会への公共財の提供を志向する教育観の均衡点を見出すための政策分析のフレームワークを提示することである。
(2)研究の意義
研究の意義は、多様な国際的な教育活動に対する多様な政策的立場を統合し、分析フレームワークを提示しようとする点である。またその際、国際政治学や国際経済学の理論的な枠組みを活用することによって、国際教育の政策過程に社会科学的・政策科学的な論理性と実証性を導こうとしていることも本研究の意義である。本研究の結果は、今後の日本の国際教育政策の策定に貢献するだけでなく、ユネスコ・ユニセフ・世界銀行などの国際機関にも活用されるよう計画しており、実践的にも大きな意義を有する研究と言える。
(3)運営方法
◇科学研究費基盤B「SDGs第4目標達成に貢献する教育のグローバルガバナンス研究」(代表者)の繰り越し分を活用し以下の作業を行う。
◇共編著『Higher Education and SDGs(仮)』をSpringerより出版
◇世界で活躍する日本人国際教育開発専門家をオンラインでつないで自主ゼミを開催
◇以下の点についてリサーチアシスタントを使って、整理する。
- 国際教育援助・交流・連携の歴史的展開
- 国際教育援助・交流・連携の組織的枠組みの把握
- 国際関係論との理論的検討
- 各国政府・国際機関の国際教育政策上の戦略のレビュー
◇海外調査結果の発表
◇海外研究協力者の招へいと研究発表
◇調査内容・手法を取り巻く問題点、課題に対する議論および解決策の検討
(4)期待される成果
Comparative and International Education Society 大会にて発表
教育のグローバルガバナンス・国際教育協力の歴史に関する研究書の刊行