開催日時
2023年2月13日(月)12:15-12:50
場所
ZOOMウェビナー
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
原 民樹(早稲田大学アジア太平洋研究センター 助教)
報告テーマ
「2010年代のフィリピン政治をどう理解するか」
要旨
麻薬使用者の超法規的な処刑を推進したドゥテルテ大統領が、政権終了まで幅広い支持を維持できたのはなぜか?かつての独裁者の息子、マルコス・ジュニアがドゥテルテ路線の継承者として2022年の大統領選で圧勝したのはなぜか?本報告は、現代フィリピン政治を理解するうえでカギとなるこれらの問いに答えるため、2010年を画期とするフィリピン政治の質的転換を明らかにする。具体的には、インフラ政策、労働力輸出政策、女性政策の展開をあつかい、それまでの新自由主義+寡頭制の政治から、社会民主主義+反寡頭制の政治への転換が生じていることを論じる。さらに、近年の強権的な政治指導者の登場の背景には、ポストフォーディズム的な経済構造のうえに近代国家を建設しようとする国民的要求があることを明らかにする。