開催日時
2017年4月10日(月)12:15-12:50
場所
早稲田大学19号館(西早稲田ビル)7階713教室
参加資格
WIAPS専任教員・助手, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
青山 瑠妙 (早大アジア太平洋研究科教授)
報告テーマ
日中関係における『歴史問題』
要旨
1980年代以降「歴史問題」は日中両国の対立する大きな争点として浮上しており、特に近年において、日中両国の関係は歴史問題をめぐり悪化している。
「歴史問題」は間違いなく日中関係の障害要因となっており、すでに多くの研究がなされている。しかしながら、そもそも「歴史問題」とは何を指しているのか?本報告はこうした問題意識から出発し、「歴史問題」が中国にとってどのような意味を持っているのかについて論じることとする。
中国における「歴史問題」の持つ意味の変遷プロセスを検討するならば、以下の三つの時期に分かれると考えられる。
(1)戦争責任の「官民二分論」
(2)「歴史問題」の変質
(3)「歴史問題」の拡散
歴史問題は日中関係の最大の障害の一つであり、日中関係を改善するうえで歴史問題の解消は急務であるが、「歴史問題」が拡散している以上、「歴史問題」の解決も一筋縄ではいかず、難しい局面に陥っている。