開催日時
2025年11月10日(月)12:25-13:00
場所
ZOOMウェビナー
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告者
原 民樹(早稲田大学アジア太平洋研究科センター助教)
報告テーマ
東南アジアにおける非公式経済への課税政策の比較研究
(使用言語:日本語)
要旨
近年、インドネシア、タイ、フィリピンはいずれも「投資競争力強化と税収拡大の両立」という課題に直面している。その背景には、「中所得国の罠」を克服するための持続的経済発展の必要性と、社会保障やインフラ整備の要求に同時にこたえなければならないという難題がある。こうした状況のなか、3カ国は税収拡大のために非公式経済(政府による規制、監督、記録の対象外で行われる経済活動。典型的には露天商、日雇い労働)への課税強化とデジタル技術の活用を主要戦略としている。しかし、その具体的政策手段やパフォーマンス、課税対象者の反応には差異がある。本報告では、Most Similar Systems Design(MSSD)の方法論に基づき、類似した経済・社会的背景をもつ3カ国間での政策差異を、税制の経済的合理性ではなく、政治アクターの戦略的相互作用や社会契約の再編過程として捉える研究構想を議論する。




