開催日時
2013年1月21日(月)12:15 – 12:50
場所
早稲田大学19号館(西早稲田ビル)7階713会議室
参加資格
WIAPS専任教員・助手, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
篠原 初枝 氏(早大アジア太平洋研究科教授)
報告テーマ
国際法秩序の変質における戦間期国際法学者
要旨
現在の国際法秩序において武力行使は違法であり、また人権が国際関係において重要な課題であることについても異論はないであろうし、国連憲章が重要な法源であることも認められている。しかしながら、一世紀前の国際関係では、このような視点は確立されてはいなかった。19世紀的な国際法秩序においては、国家が戦争を行うことは合法であり、また原則を述べた宣言等は、「法」としては認められてはいなかったのである。
これまで20世紀に国際法秩序が変質したことは議論されていたが、なぜそのような変質が起きたかについて、歴史的な検証はほとんどされてこなかった。本研究では、国際法秩序の質的転換を、国際法の改革を求めて闘った国際法学者に光を当てて論じるものである。アメリカを中心に国際法学者たちの議論や活動を描き出し、その学問的議論が外交政策に影響を与えていたことを探り、さらにはこれらの国際法観の違いが戦間期の国家間対立にどのようにあぶりだされていたかを論じる。