開催日時
2025年1月20日(月)12:25-13:00
場所
ZOOMウェビナー
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
原 民樹(早稲田大学アジア太平洋研究センター 助教)
報告テーマ
「支持される権威主義体制をどう理解するか?─ドゥテルテ政権とフランス第二帝政の比較」
(使用言語:日本語)
要旨
近年、「民主主義の後退」と呼ばれる現象が世界的に注目を集めている。多くの国において、この「民主主義の後退」は民主主義的に支持されて生じている。しかし、既存の研究はこの矛盾を正面から議論してこなかった。本報告は、民主主義的に支持される権威主義体制を「ボナパルティズム」という概念で捉え、「民主主義の後退」の典型例とされるフィリピンのドゥテルテ政権を、ナポレオン三世のフランス第二帝政と比較することにより、この現象に新しい説明枠組みを与える。結論として、「民主主義の後退」とされる現象は、(1)自由主義の否定ではあるが民主主義の否定ではない、(2)公共財の供給体制を構築する契機であり、国家能力を発展させるものであることを主張する。