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第67回アジア太平洋研究センター(WIAPS)研究会

第67回アジア太平洋研究センター(WIAPS)研究会

1012

MON 2020
Place
未定
Time
12:15-12:50
Posted
2020年9月30日(水)

開催日時

2020年10月12日(月)12:15-12:50

場所

未定

参加資格

WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生

報告1

報告者

早瀬 晋三 (早稲田大学アジア太平洋研究科教授)

報告テーマ

オリンピックをめざさないアスリートたち 学術論文をめざさない大学院生たち

要旨

『東南アジアのスポーツ・ナショナリズム-SEAP GAMES/SEA GAMES 1959-2019』(めこん、2020年)は、東南アジア競技大会(SEA GAMES)を通して海域東南アジア社会を理解することを第1の目的とした。この海域社会を象徴することばとして「ASEAN Way」がある。競技大会の参加国、開催国をみていくと、すべてではないがASEAN加盟前に参加し、ASEAN議長国になる前に開催国になっていることに気づく。当然大会参加国は、東南アジア諸国だけであるから意識せずに遠慮なく「ASEAN Way」でやっていける。また、孤立しがちだったビルマ(1989年ミャンマーと改称)は第1回から1度も欠かすことなく参加し、2年に1度、確実にほかの東南アジア諸国と交流をもっていた。従来のASEAN理解は、公式な会議を経て報告されたものに基づいていた。だが、「非公式性を重視する」ASEANでは、重要なことが非公式対話のなかで決められる。その場のひとつがASEANに加盟していない国ぐにを含めたスポーツ大会にあった。

いっぽうで、本書は、オリンピック至上主義を批判し、オリンピックをめざさないスポーツの愉しみ方を例示することになった。それは、GSAPSの教育にも通ずるものがあることに気づいた。学術論文の作成をめざさないMAの学生、「SEA GAMES」や「国体」で満足するPhDの学生にたいして、「オリンピック」をめざす教育だけでいいのだろうか? アスリートと大学院生とは違うが・・・