
早稲田大学は2032年に創立150周年の節目を控え、その先を見据えたさらなる飛躍に向かう段階にあります。建学の精神に基づき2012年に掲げた「Waseda Vision 150」、これに続く「世界で輝くWASEDA」の理念のもと、早稲田は着実に歩みを進めてきましたが、これらの理念を継承しながらより実践的な行動へと展開し、進化を加速することが今求められています。学内外の様々な分野の英知を結集して多様な価値観を力に変え、早稲田に脈々と受け継がれてきた進取の精神をもって、次のステージへ進んでまいります。
今日、世界は分断の深まりに加え、気候変動や災害、資源エネルギー問題、パンデミックなど地球規模の様々な課題に直面しています。さらにAI技術の急激な進展は社会のあり方そのものを大きく変えつつあります。こうした時代だからこそ大学が果たすべき役割、すなわち、課題解決を先導する知を創造し、複雑な社会を俯瞰しながら未来を切り拓く人材を育て世界に送り出すことが一層重要になります。
早稲田大学の教旨は「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」です。時代を超えて受け継がれてきたこの建学の精神を、現代の課題に即して読み解き、常に進取の精神を持って実践へとつなげていかなければなりません。多様な英知を結集して新たな知を創造し世界に発信するとともに、社会に貢献するハイインパクトな研究を先導する卓越した国際的研究大学を目指す。質の高い教育と多様な挑戦の機会を通じて、確かな基礎力と実践力、高度な専門性、国際的視野、高い共感力を備えた「世界から頼りにされる」人材を育てる。そして研究・教育・社会貢献を三位一体で推進し、地域から世界に至る多様な課題の解決に貢献する。これらを一つひとつ着実に形にしていきます。
大学には、これまで積み重ねられてきた人類の英知を受け継ぐとともに、不断の研究によりそこに新たな一歩を刻み続けて未来にバトンを繋いでいく役割があります。世界においてその一翼を担うべく、さらに研鑽を重ねてまいります。さらに、大学は多くの仲間が集まり、互いに学び、刺激し合い、自らを磨く、かけがえのない場でもあります。早稲田で過ごす時間は人生の中では限られていますが、卒業後に世界に羽ばたき散じても心の中にあり続け、いつでも戻ることができる。そして、自らの歩みを確かめ、次の行く手を見出す力となる。早稲田がそのような場所であり続けるようにすることも、私たちの大切な使命です。
多様な価値観やアプローチを尊重しながら自由闊達に議論し、常に新しいことに挑戦する早稲田の伝統を力に、研究、教育、社会貢献を通じて、世界に貢献するWASEDAを築いていきます。
本間 敬之