開催日時
2020年7月13日(月)12:15-12:50
場所
未定
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
坂上 勝基 (早稲田大学アジア太平洋研究科講師(任期付))
報告テーマ
途上国における公教育を通じた難民・受入地域への初等教育支援の効果の検証―ウガンダ北部地域を事例として―
要旨
世界全体の難民数が第二次世界大戦後の過去最大を更新し続ける中、学齢期の難民の90%以上が住む途上国で、受入国の公教育システムに難民を統合し、難民と受入地域の児童・生徒への教育支援を同時に行う政策の主流化が急速に進んでいる。こうした中、2016年~2017年にかけて、こうした統合型の難民教育支援策を先駆的に導入してきたウガンダの北部地域に、南スーダン難民が未曾有の規模で新たに流入した。これに対応する同国の取り組みへの関心がかつてなく高まる一方、データ不足等が障害となり、当該支援策の効果に関する実証的検証がほとんど進んでいない。本研究は、ウガンダ北部地域の南スーダン難民居住地とその受入地域で収集された学力テストのデータを用い、公教育を通じて行われる統合型の初等教育支援が、難民と受入地域双方の児童の教育達成にどのような影響を与えたかについて検証を行う。本発表においては、難民児童の学力規定要因に関する分析結果に基づく考察もふくめ、実証分析から伺える統合型難民教育支援の可能性と限界について検討する。