開催日時
2023年6月12日(月)12:25-13:00
場所
ZOOMウェビナー
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
海野 典子(早稲田大学アジア太平洋研究科 講師(任期付))
報告テーマ
近代中国ムスリムの改革運動と国際関係:日本とオスマン帝国との交渉を中心に
要旨
20世紀初頭、大清帝国(清朝)との通商関係樹立を望むオスマン帝国、およびアジア進出を目論む大日本帝国は、中国の漢語を話すムスリム(中華人民共和国の少数民族の一つである回族にほぼ相当、歴史的呼称は回民)に戦略的重要性を見出し、回民を対象とする諜報活動や懐柔策をそれぞれ展開した。当時中国におけるムスリムの地位向上を目指していた回民指導者の一部は、両帝国と交渉して政治・経済的支援を引き出し、それらをムスリムの宗教・教育改革に利用した。本研究は、回民の両帝国に対する働きかけが、世界情勢や学問潮流、日本の対イスラーム宣撫工作(回教工作)、近現代中国の民族政策に与えた影響を解明する。そのことによって、近代アジアの国際関係史をマイノリティの視点から再構築する。