Graduate School of Asia-Pacific Studies早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科

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第78回アジア太平洋研究センター(WIAPS)研究会

開催日時

2022年7月11日(月)12:15-12:50

場所

ZOOMウェビナー

参加資格

WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生

報告1

報告者

大貫 真友子(早稲田大学アジア太平洋研究科 講師(任期付))

報告テーマ

障害を持つ元戦闘員と一般障害者間の個人的な対話による融和効果の検証:ルワンダにおける融和行動実験

要旨

本研究は、民族大虐殺を経験したルワンダの障害のある元戦闘員と一般障害者を対象に、集団間接触における個人的な対話(自己開示、経験や特性の比較、共感)による融和効果を検証した。紛争終息後の融和態度は社会的望ましさの影響を受けやすいことがいわれている。従って、このような社会的望ましさのバイアスの影響を受けにくい行動実験をデザインした。

ルワンダの新政府軍、旧政府軍、民兵、一般の障害者、計444人が実験に参加し、外集団もしくは内集団メンバーと対面で「個人的な対話」(障害と紛争にまつわる自己開示)および「共通タスクに関する対話」を行った。続いて、賞金を賭けたチーム課題で誰と組みたいかを提示してもらい、パートナー志向を測定した。

結果、一部の元戦闘集団間では、個人的な対話によるポジティブな影響の傾向が見られたが、新政府軍の元戦闘員と一般障害者間においては、個人的な対話の効果はなく、共通タスクに関する対話にパートナー志向を向上させる効果があった。その他、一般障害者の新政府軍に対する個人の印象形成にも、共通タスクに関する対話によるポジティブな効果が見られた。

結びに、ルワンダのような紛争影響国において、集団間接触における個人的な対話のプロセスによる融和効果に限界があることが示唆された。これは、個人的な対話のプロセスの中で、紛争経験や社会経済的地位の格差が不意に露呈し、同調や共感を妨げるためである可能性を唱えた。

*本発表は、Onuki, M., Aoyagi, K., & Takasaki, Y. (2022). Personal intergroup contact between different groups of ex‐combatants and civilians: Evidence from a behavioural experiment in Rwanda. European Journal of Social Psychology, 52(1), 1-17. に依拠しています。

 

 

Dates
  • 0711

    MON
    2022

Place

Zoom ウェビナー

Tags
Posted

Wed, 29 Jun 2022

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