開催日時
2024年1月15日(月)12:25-13:00
場所
ZOOMウェビナー
参加資格
WIAPS専任教員・助教, GSAPS兼担教員, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1
報告者
原 民樹(早稲田大学アジア太平洋研究センター 助教)
報告テーマ
フィリピンにおける政教関係の変化––リプロダクティブ・ヘルス法制定要因の分析から
要旨
これまでフィリピンは「弱い国家/強い社会」の典型例とされ、宗教団体や財閥、地方エリートなどの社会勢力が国家機構を支配するという構造が自明視されてきた。しかし、2010年代から国家が社会勢力に対して自律性を高める動きがさまざまな領域で観察されるようになり、フィリピン政治の性格が質的に変化しはじめた。その一事例として、2012年に制定されたリプロダクティブ・ヘルス法があげられる。本報告は、フィリピンにおいて絶大な政治的・社会的影響力をもつカトリック教会の道徳規範に正面から対立する同法が制定された要因を分析し、現代フィリピン政治のダイナミズムの一端を明らかにする。