• 2025年度第5回GMPフォーラムを開催しました(2025/11/25)

2025年度第5回GMPフォーラムを開催しました(2025/11/25)

2025年度第5回GMPフォーラムを開催しました(2025/11/25)
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2025年12月5日(金)

2025年度第5回GMPフォーラム
日時:11月25日(火)15:05~18:40
場所:11号館505教室
講演テーマ:Making Better Decisions
講師:Sam Yam先生(シンガポール国立大学教授)

第5回GMPフォーラムでは、シンガポール国立大学からお越しいただいたSam Yam先生が、「Making Better Decisions」をテーマに意思決定論・人間行動論・行動経済学に関する双方向型のレクチャーと二つのケーススタディを行ってくださいました。

Yam先生の国際的なキャリアのご経歴を含めた自己紹介から始まり、人間行動論・組織行動論に興味を持った経緯についてお話しいただきました。また、Yam先生は2024年のGMPシンガポール合宿においても、われわれGMP生にレクチャーしてくださいました。

レクチャーでは、人間の無意識的なバイアスの具体例や、統計に関するベストセラー『Factfullness』の事例も交えながら、データ分析やニュースを読み解く際の正しい判断について学ぶことができました。

レクチャーの内容を踏まえ、GMP生が7〜8人のグループに分かれ、二つのケーススタディに取り組みました。

一つ目のケースは、大手戦略コンサルティング会社が投稿した女性役員登用に関する記事を題材としたものです。われわれは、記事内で使用されているデータや情報を精査する中で、意図的に抽出されたデータや恣意的なタイムラインが使われていることを見抜き、データ分析に対する批判的思考力を養うことができました。

特に興味深かったのは、「Cater-Racing」という二つ目のケースです。エンジンの調子が不安定な中、経済効果の大きいカーレースに出場すべきかどうかを、各グループで議論して判断しました。エンジンのテストデータや過去のレースデータなど限られた情報のみが利用可能で、得られる金額の期待値を基に判断すれば出場する方が合理的に見えるものの、実は提供されたデータには重大な欠陥があり、適切なデータ分析を行えば「出場すべきではない」という結論になる内容でした。また、このケースは実際の事例を基にしており、学生はケースを通じて、不適切なデータ分析によって起こった悲劇を知ることになりました。

本フォーラムを通じて、データ解釈の際に陥りやすい認知の歪みを実際に体験した上で、データ分析における批判的思考を実践し、Ethics(倫理)の観点が不可欠であることも強く認識することができました。

(GMP学生3年 手塚規人)