商学はビジネスと経済の融合領域であり、ヒト・モノ・カネ・情報等の諸資源の配分に関する機能や制度を国内および国際的観点から考察し、理論的かつ実証的な研究を行う。すなわち、経済の基盤をなす産業の動向、企業行動やビジネス活動、消費者行動、種々の経済取引を理論・機能・制度に着目して研究し、もって経済社会を質・量ともに豊かにすることを基本に据えている。
本学部は1904年の創設以来、学識および実業両面の修養を兼ね備えた「学識ある実業家」を育て、社会に送り出すことを教育理念としてきた。これまでに10万人余の人材を育成し、卒業生は内外の産業界のみならず、政治・文化・芸術など多方面で活躍している。
現代においては、専門的知識に加えて幅広い教養を身に付けることを通じて、倫理観や的確な分析力・行動力に基づく企(起)業家精神を養うとともに、「国際化」「情報化」「学際化」という要因を取り入れ、次代の産業界を支え、ビジネスを担う人材(ビジネスリーダー)を育成している。
本学部では、以下の条件を満たし、所定の単位を修得した者に学士(商学)の学位を授与する。
(1)商学・ビジネスに関する基礎知識の修得
(2)商学・ビジネスに関するデータ分析手法の修得
(3)国際適応力の獲得
(4)ビジネスマインドの涵養
上記をふまえ、本学部では、卒業時に身につけておくべき能力を以下のように定める。
「学識ある実業家」を育成するために、「経営」「会計」「マーケティング」「ファイナンス」「保険・リスクマネジメント」「ビジネスエコノミクス」からなるトラック制を採用し、商学に関連する「総合・学際科目分野」(基礎演習、法律、学際、寄附講座等、統計・IT)、外国語で商学を学ぶ「外国語専門科目分野」を設置している。また、幅広い学識を身に付ける上で、人文学、社会科学、自然科学にわたる総合教育科目、多様性や異文化理解に対応した外国語科目(英語・独語・仏語・西語・中国語・朝鮮語)も配当している。
初年次には、ビジネスの基盤である経済の全体像を学ぶ「基礎経済学」、ビジネスの言語である会計データを理解するための「基礎会計学」、論理的思考力を養うための「基礎数学」、ビジネス全般を俯瞰する「ビジネス概論」、法律的にアプローチする「ビジネス法入門」、分析力・解析力を強化するための「統計リテラシー」「データ科学入門」を必修化するとともに、少人数の基礎演習を設置し、基礎学力の増進に努める。
トラック制の下で専門教育科目や専門教育科目演習(ゼミ)を履修することを通じて専門知識を修得するとともに、問題発見、調査・分析、問題解決、文章表現の能力の向上を図りつつ、実務家による寄附講座等を活用してビジネスの実際を学び、理論に偏らない幅広い知識の獲得を目指す。また、商学研究科および会計研究科設置科目の先取り履修制度を設け、高度な専門知識を学ぶ機会を提供する。さらに、学部と商学研究科間では早期に修士号の取得を可能とする一貫教育を展開する。
本学部では学識および実業両面の修養を兼ね備えた「学識ある実業家」を送り出すという理念を実現するため、一定の高い基礎学力を持ちながら、知的好奇心が旺盛で、自分で計画を立て、種々の課題に積極的に立ち向かう意欲に満ちた個性的な学生を、全国各地や世界中から多数受け入れることを基本方針とする。
上記の方針に基づき、以下の入試による選抜を行う。
一般選抜では、国語、外国語、地歴・公民または数学において高い基礎学力を有することを重視し、設問によっては記述型の解答方式を用いて思考力や表現力も多角的に評価する。また、数学は専門科目に加えて統計やデータ分析を修得するうえで重要であることから、数学型試験を実施し、高い数学的素養を有する者を受け入れる。
指定校推薦入試では、知的好奇心が旺盛で、自分で計画を立て、種々の課題に積極的に立ち向かう意欲に満ちた個性的な者を全国各地から受け入れる。そのため、小論文、面接、高校調査書等を用いて、幅広い基礎学力に加え、学習・課外活動等の取り組み、本学部で学ぶ意欲等を総合的に評価する。
外国学生入学試験および中国指定校推薦入試では、外部検定試験、面接等を用いて日本国外での教育・文化的な経験から国際的な視点を持ち、かつ確かな基礎学力を備えた者を受け入れる。
附属高校・系属高校推薦入試では、高校調査書等を用いて基礎学力に加え幅広い知識と豊かな教養を持ち、リーダーシップを発揮できる個性的な者を受け入れる。