保護主義ではなくアクティブな多国間主義を フランス銀行総裁による講演会を開催

2017年12月4日、早稲田大学国際課、SGU実証政治経済学拠点現代政治経済研究所政治経済学術院はフランス銀行フランソワ・ビルロワドガロー総裁をお迎えし、「欧州が直面する経済課題への挑戦」と題する講演会を開催しました。講演会でビルロワドガロー総裁は、自由貿易や共同市場、保護主義の高まりや分裂主義など国際経済秩序にとって様々な課題がある状況下における、唯一の欧州モデルや現在の国際及び欧州情勢への対応について語りました。

冒頭の挨拶で、早稲田大学鎌田薫総長は、「早稲田大学は古くからフランスに関する教育・研究を行ってまいりましたが、近年ではフランス共和国を本学の最重要パートナー国と位置づけ、学生交流・教員交流・共同研究など、日仏間の教育・研究交流に努めてまいりました」と説明し、「統合・進化を進める欧州が複雑かつ解決困難な課題にいかにして立ち向かっていくのかという総裁のご講演は将来のグローバル社会を補うこの会場に集う学生にとって必ずや有益な道標を提示するもの」とコメントしました。

ヨーロッパの経済同盟、特にガバナンスの強化を提唱するビルロワドガロー総裁は、グローバル課題に立ち向かうため、アクティブな多国間主義が必要と主張し、「国同士の協力がこれまで以上に重要になってきており、ヨーロッパと日本は他国と共に、共通で尊重されているルールや国際通貨基金(IMF)や国際開発金融機関(MDB)のような多国間機関に基づいて国際経済関係を守る必要があります。その悪化は、世界の貿易や経済活動を阻害するでしょう」と述べました。また、2016年以降、世界経済回復のペースは上がってきていますが、経済不安と近年アメリカで見られる保護主義がその回復を脅かすリスクであることを挙げ、「保護主義は増加する不平等と貧困に対する解決策ではない、むしろまったく逆のものだ」と語りました。

最後にビルロワドガロー総裁は今年度のノーベル賞受賞者で日本生まれのカズオ・イシグロ著の『日の名残り』からの文章を引用し、欧州経済や通貨統合が最終形態だと考えず、経済組合のより良い機能に向けて進展することの大切さを強調しました。「私は今では不可能と思われることでも達成できることを強く信じています」と講演を締めくくりました。

本講演会は、530名を超える多くの聴衆を集め、講演後のQ&Aセッションでは活発な議論が行われました。

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