幅広いサービスで学生と教育研究を支援する早稲田の“入り口” 早稲田ポータルオフィス

進化する大学

大学の新しい組織・制度など、進化する大学のしくみについて解説します。第12回は、早稲田ポータルオフィスです。

早稲田ポータルオフィス
幅広いサービスで学生と教育研究を支援する早稲田の“入り口”

大学の仕組みに合わせて進化を続ける

学生に対する窓口サービス、履修登録や成績のデータ処理などは従来、各学術院事務所がそれぞれ行っていました。しかし、全学部共通で学べるオープン科目が設置され、学術院事務所以外にも窓口が増えて、職員の業務の偏りや学生・教員の不便さが発生していました。そこで2006年、職員の提案により、学生へのサービス向上、業務の効率化と標準化を目指して7号館に誕生したのが、早稲田ポータルオフィスです。

campus-now_222_p18a早稲田ポータルオフィスの主な業務は、フロントオフィスとバックオフィスに分かれます。フロントオフィスは、落とし物やオープン科目の履修相談、IT利用支援などを行う窓口業務。バックオフィスは、履修登録や成績のデータ処理、メール相談対応などを行っています。バックオフィス業務は2007年から、フロントオフィス業務は2014年から各学術院の業務を早稲田ポータルオフィスに段階的に集約し、業務のプロセスなどを標準化。また、学内の相談を何でも受け付ける総合窓口の役割を持つことで、学生へのワンストップサービスが可能となり、また各学術院の職員の負担軽減も図ることができました。その分、職員は学生へ向けたサービスの充実や、新しいプロジェクトの創出に注力できるような体制を整えてきました。近年では、対話型、問題発見・解決型教育「アクティブ・ラーニング」を支援するグループ学習スペースを2014年度に早稲田キャンパス3号館に、続いて2015年度に7号館、19-2号館(共創館)に設置。本学では『W Space』と呼び、新しい学びの形にも対応しています。

学生と教職員がつくる新しい大学へ

丁寧なサポートに、教員からは学生と知って驚かれることも。

丁寧なサポートに、教員からは学生と知って驚かれることも。

基本的な役割に加えて、早稲田ポータルオフィスは、「Waseda Vision 150」で示した「学生は、教職員とともに大学を支え進化させる一員である」という考え方の下、大学と学生の関わり方が変わるような取り組みをいくつか行っています。代表的なものとして、設立当初から採用している学生スタッフが挙げられます。これは、学生により良い大学づくりに参加してもらう「スチューデント・ジョブ」の先駆けであり、今も留学生を含め、さまざまな学部や大学院の学生約50人がスタッフとして窓口で来訪者対応や資料作成をしてくれています。1ヵ月以上の研修を行い、来訪者への声のかけ方などサービスの基本を習得していますが、学生たちはそれ以上の付加価値をつけて応対をしてくれています。学生スタッフの意見を取り入れて、受付の動線を変え、待っている人の混雑を解消したこともあります。積極的に大学の運営に関わる姿勢が学生に浸透してきているといえるでしょう。

また、職員がコーディネートしているプロジェクトとして、学生が企業と連携して課題解決に取り組む「プロフェッショナルズ・ワークショップ」、新入生や受験生を学生がサポートする「こうはいナビ」も取り組みの一つです。これまで教員と学生とで作られていた教育の場に職員が関わったり、学生サポートに学生が関わったりして、学生・教職員が一体となって次世代の大学の姿をつくっている最中なのです。

必要に応えられる窓口を目指す

このような早稲田ポータルオフィスの体制は、学生サポートや、職員業務の改革のお手本として、他大学からも視察を多く受けています。しかし、今の状態は完成形ではありません。それぞれの学術院で蓄積された業務を機械的に集約するわけではなく、学生や教員にとっての利便性を損なわないよう調整しながら機能を集約しているため、時間と手間は今後もかかるでしょう。今後、学内で認知度が高まってくれば、さらなる業務の質を求められる立場にもなってきます。そのためにも機能を充実させ、要望に応えられる窓口でありたいと考えています。

早稲田には、自発的に情報を選び取って「大学の助けを必要としない」という学生が多い傾向はありますが、早稲田ポータルオフィスの理念は「学生ファースト」。学習環境を整えることはもちろん、学生からの希望にも可能な限り応えたいと思っています。必要な時にサポートできるよう準備を整えているので、何かあれば気軽に相談してほしいですし、どんどん活用してもらいたい。窓口に顔を出していただければ、スタッフがきっと声をかけてくれるはずです。

プロフィール 早稲田ポータルオフィス長 吉田和夫

1987年社会科学部助手。専任講師、助教授を経て、1998年から社会科学部教授。2014年から早稲田ポータルオフィス長。


WASEDAらしく、自由に、独創的に学生たちが活用する『W Space』

W Spaceのグループ用スペース。学生が目的に合わせ、自由にレイアウトを変えながら利用しています

学生同士のグループ学習の機会が増えてきたことを背景に、「Waseda Vision 150 Student Competition 2012」にて、学生グループ「チームわせ女」が学習や活動で利用できるスペース『Waseda Space』の創設を大学に提案。それを受けて誕生したのが『W Space』です。現在は7号館3号館、19-2号館にあり、特に2015年10月にオープンした7号館の稼働率はほぼ100%と人気です。

学生スタッフの声 教育学部4年 乗京さん

早稲田ポータルオフィスで活躍する学生スタッフに、スタッフ業務の魅力についてお聞きしました。


大学2年生の時、自分の大学について学びながらアルバイトができることに魅力を感じて、早稲田ポータルオフィスの学生スタッフになりました。窓口には、落とし物をした方や相談事を抱えている方が多く来訪されるので、お帰りの際にほっとした表情になっていただけるととてもうれしく、役に立っているという実感を得られることが励みになります。年代国籍を問わず多くの人が訪れるため、対応の難しさは日々痛感していますが、早稲田大学がとても開けた大学であると知りました。


現在私は、学生数名で発案した研修教材作成のプロジェクトに携わっています。早稲田ポータルオフィスでは学生スタッフがアイデアを出す機会も多くあるため、ただ与えられた業務をこなすだけではなく、考えて率先して動く力が身につきました。


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