12/3(金)、全国学生保険学ゼミナール(Risk and Insurance Seminar)の全国大会が福岡大学で開催され、全国から保険やリスクを研究する25チームが研究の成果を発表しました。早稲田大学商学部から中出哲教授のゼミナールの3年生、4年生が参加し、新しい保険制度の提案を行い、保険実務家が選ぶMNP(Most Notable Presentation)と出席学生全員が選ぶMIP(Most Impressive Presentation)のダブル受賞を果たしました。
中出ゼミは、少子化対策やダイバーシティなどの社会課題に対する方策として、「従業員子育て保険」という仕組みを考案して提案しました。これは、民間と政府が協力した新たな保険制度の枠組みを創設する提案で、政府の財政支出や国民の社会保険料負担をあまり増やさずに、民間企業が経費として保険料を負担して、従業員や家族の出産による労働力不足に対して、代替労働力やベビーシッターの派遣という現物給付を受け、出産や女性の活躍を支える制度です。政府と保険会社が制度の運営に携わることによって、質の高い「ベビーシッター」産業を育成することも目指します。この提案は、出産という人生の最初からかかわる制度で、介護保険とパラレルになるものです。新たな官民連携(public private partnership:PPP)の仕組みで、この提案は、世界的にみてもオリジナリティの高い独創的なものです。
ゼミ生は、この提案を作り上げるうえで、日本の社会課題や政策、外国の対策なども調査し、また、保険会社の専門家などに相談して保険数理上の試算を行い、また、制度を導入した場合のメリデメなどの分析も行いました。合計で100頁を超える詳細資料を準備して発表に臨みました。
研究に携わったゼミ生は、保険制度が社会を変える大きな可能性を有する仕組みであることを理解し、保険に関する関心をさらに高めました。
表彰式の写真 (左より ゼミを代表して:中出哲教授、樺島由梨花、田口篤志、東條泰駿)