SPECIAL INTERVIEW SABINE BECKER-THIERRYさん

SABINE BECKER-THIERRYさん

サビーネ・ベッカーティエリーさん

成長は、快適な環境の外側にある

地球規模の課題解決に対し、研究や教育を通じて寄与する国連大学。サビーネ・ベッカーティエリーさんは日本に在住しながら、同機関で学長室長を務めている。

「人類が直面する諸課題に取り組むためには、各国の研究機関や大学と連携し、知識を共有することが不可欠です。国連大学の最高責任者である学長が世界13の研究所をリードし、マネージするに当たり、彼を支援することが、私の役目です」

サビーネさんはドイツの出身だ。10代の頃から国際情勢に興味を持ち始め、高校卒業後、西アフリカのワークキャンプに参加。開発学やグローバル外交に携わることを志したという。ドイツで大学を卒業後、フランスのパリ政治学院とソルボンヌ大学で国際関係を研究し、修士号を取得した。

「大学院修了後はフランスのコンサルティング会社にプロジェクトマネージャーとして就職し、バルカン半島や中東の諸国を行き来しました。その後はニューヨークの、国際連合の事務局でジュニア・プロフェッショナル・オフィサーとして勤務。数年過ごしたのち、東京へ移ることにしたのです」

日本では、フリーランスのコンサルタントとして働きつつ、早稲田大学のアジア太平洋研究科で博士課程に進んだ。

「開発のプロセスにおいて、どのように人権状況の改善を評価するかがテーマでした。開発途上国では、人々の権利が守られていないこともあります。多くの場合、開発事業は受益者を介さずに計画され、人々の生活や立場、自身の権利の認識や権利を追求する能力が良くも悪くも影響されます。こうした状況では、開発や人権が人々に与える影響を、どのように評価すべきか。ミャンマーで人身売買防止プロジェクトに焦点を当てたフィールドワークを何年か観察し、そこで関わった人々に感銘を受け、視野を広げることができました」

グローバルな経験は、どのように自分を成長させたのだろうか。

「さまざまな人々で構成されるチームに所属すると、多くの異なる視点にさらされます。相手を理解できないことがあっても、信頼する方法が必要です。多様な人々の価値観や行動と接することは、国際問題に挑む上でも重要だと感じます」

若い学生たちにも海外に飛び出してほしいと、サビーネさんは思いを述べてくれた。

「快適な環境の外へ、身を投じてください。絶対に後悔しません。学生として、人生における素晴らしい時期と自由を楽しめば、視野が広がるはず。海外での経験は、時としてあなたを限界に追い込むかもしれませんが、成長もさせてくれます。真の異文化交流が経験できる早稲田大学には、人生の旅を始める素晴らしい環境が揃っているはず。ぜひ勇気を持って、挑戦してください」

 

PROFILE

ドイツ生まれ。国連大学学長室長。国連大学理事会幹事。国連機関やNGO、政府機関にて開発コンサルタントとして勤務し、国連大学首席補佐官などを経て現職。パッサウ大学で学士号を、パリ政治学院とソルボンヌ大学で修士号を取得。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科で博士号を取得(指導教員;勝間靖教授)。

 

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