第18回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」贈呈式 受賞者挨拶 ―湯本和寛氏

※第18回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」贈呈式 式辞・講評 はこちら

【文化貢献部門 奨励賞】
SBCスペシャル「消えた 村のしんぶん ~滋野村青年団と特高警察~」 信越放送(SBCテレビ)

「消えた 村のしんぶん」取材班代表 湯本和寛氏の挨拶

このたびは栄えある賞を頂きまして誠にありがとうございます。今回の番組は、去年の夏の終戦企画を取材している時に、たまたま昔の新聞を見つけたことから始まりました。地元の方から縮刷版を借りて読み込んでいくと、たった700戸の村の村民が、特に若者たちが、国際情勢から思想・哲学まで難しい内容の記事を書いていて驚きと感銘を受けました。背景を探ると、春夏は農業をやり、秋冬の農閑期にお金を出し合って大学から先生を招いて学ぶなどしていたようです。小さい村にありながら、村をどう良くしていくのか、国をどう良くしていくのかということを真剣に考えていた青年たちがいたのです。

現代の状況をみますと、田舎では議員のなり手がいない、国政では議論を交わすといった根本的なことすらできていないのではないかという状況が散見されます。「丁寧な説明をする」と言ってしなかったり、毎日そういった事例に事欠かない状況であると感じています。戦前ではありますが、当時の村の青年たちがやっていたことは、現代から見ても参考にすべきロールモデルとして、我々が学ぶべき部分があると感じます。

今回、文化貢献部門の賞をいただきましたが、「昔の若者たちの文化を守っていく」という言い方をするよりも…、守っていくと言った時点で我々の社会から無くなっていってしまっているという意味合いが生じてしまうのですけれども…、そういった文化を「当たり前のものとして(個々の実践の中で)根付かせ続ける」ということが、自由や民主主義を未来永劫続けていく根本にあるのではないかと思っております。

今回の奨励賞は、「奨め」「励ます」ということですので、これからもさらに良い活動ができるようにしたいと思います。どうもありがとうございました。

 

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