スポーツの楽しさを伝えるとともに
私自身が挑戦し続ける姿を生徒に示したい
スポーツには民族や文化、言葉を超える力がある
スポーツには民族や文化、言葉を超える力があると実感したのは、父の転勤に伴い転校したスコットランドの小学校時代に遡ります。転校してしばらくは周囲になじめずにいたのですが、体育の授業でホッケーをした時、初心者ながらうまくプレーできたことで注目され、その翌日から親しみを持って接してもらえるようになったのです。この経験から、スポーツの魅力を伝える体育教師が将来の夢になりました。
学生時代は学業に部活動、さらに教員採用試験に向けた勉強と、多忙な毎日でしたが、その一つ一つが自主性を高めてくれたように思います。また、ゼミ教員だった吉永武史先生の「体を動かす楽しさを誰もが実感できるような保健体育科教育の担い手を社会に送り出したい」という情熱に感銘を受け、先生の教えは今も私の指針となっています。
「汗をかく教師」であり続けたい
体育が苦手な生徒でもスポーツを楽しいと思ってもらうには、そうした生徒の気持ちを忘れずに授業を組み立てることが重要です。同僚の先生方だけでなく、目の前の生徒からも学ぶ姿勢を忘れずに試行錯誤を繰り返してきました。また、私自身がチャレンジし続ける姿を生徒に見せたいという考えの下、スポーツを通じた国際貢献事業として、日本の体育科教育をカンボジアなどの発展途上国に伝える活動にも携わりました。常に向上心を持って挑戦し、学校の外にも目を向け、新たに得た発見を生徒たちに還元する「汗をかく教師」であり続けたいですね。
早稲田はものごとに挑む人を後押ししてくれる
早稲田には限界を乗り越えてものごとに挑む気概を持った人が多く、大学全体にそれを後押ししようという雰囲気があります。「自分はこうだ」と固執することなく、さまざまなことに目を向ける中で得た直感を大切にする学生生活を送ってみてください。自然と自分の進むべき道が見えてくるはずですよ。
井上 陽子
町田市立鶴川第二中学校 保健体育科教諭
Profile
東京都立狛江高校出身
2011年3月スポーツ科学部卒業
在学中は吉永ゼミで体育科教育学を学びながら、ラグビーなど未経験の実技科目にも果敢に挑戦。体育会ホッケー部の活動にも打ち込んだ。現在は保健体育科教諭として、スポーツの楽しさを実感してもらうことをモットーに生徒たちと日々向き合うとともに、校外での活動にも積極的に取り組んでいる。
※掲載情報は2014年度内の取材当時のものです。