「エンパク★こども映画教室に参加された小学生のみなさんへ」 参加されたお母さんからのお手紙

11 月21 日~23 日に開催されたエンパク★こども映画教室2015。このイベントに、親子で参加された加藤恵美・政治経済学術院助教から、心あたたまるお手紙を頂きました。以下、そのお手紙を紹介します。


私は早稲田大学演劇博物館のこども映画教室に参加した小学校3年生の男の子の母親です。偶然にも早稲田大学で働いているお母さんがいた、ということで、お手紙をみなさんに宛てて書く機会を与えていただきました。映画教室が開かれていた3日間、私はみなさんのお母さん、お父さんと同じように、朝には「今日も元気に映画を作ることができますように」と願いながらお弁当を作り、お昼には「今ごろどこで撮影しているのかなあ」と想い、夕方にはお迎えに行き「今日は何があったの?」と聞きました。その私の質問に対して息子は、「?(謎)を探る」映画を作っている、としか答えてくれませんでした。だからなおさら、私はできあがる映画を観ることがとても待ち遠しかったです。

3日目に、大隈小講堂でみなさんの作った素晴らしい映画を観ました。私が特に素晴らしいと思ったところは2つあります。一つ目は、みなさんが、他の人に与えられた「?」ではなく、自分にとって大切な「?」を、グループのお友達と協力して探ったところです。あるグループは、ひとつの「?」の答えを探しているうちに、実は別の「?」の方が、どうしても答えを知りたい本当の「?」であることに気づいたことを、映像として私たちに観せてくれました。私は研究を仕事にしていますが、その仕事の大事な部分は、みなさんがこの間経験した「?」を探ることなのです。私はみなさんのおかげで、世の中にはたくさんの、そして探れば探るほど深まる「?」があることがあらためてわかり、仕事はなくならないなあと安心しました。

二つ目の素晴らしいところは、そうして探りあてた「?」とその答えを、みなさん自身だけでなく、他の人たちにうまく伝えることができていたところです。3日間かけて取材をして集めた映像を、約10分の映画としてまとめることは、とても難しいことだったと思います。それにもかかわらずみなさんは、グループリーダーをはじめとするお姉さん、お兄さんの力を借りて、みなさんが大切だと思った「?」とその答えを、映画を通じて私たちに伝えることに成功しました。伝えたい何かを伝えることは、「おとな」でも簡単にできることではありません。私は、私の息子のグループが作った映画を観て、息子はもはや「こども」ではないのかもしれないと、ドキッとしました。みなさんのお母さん、お父さんも同じように思ったのではないでしょうか。

最後に、多くのみなさんがたぶん気になっている、大隈庭園にあったあの「木」についてです。私が調べたところ、あの木はシュロの木ではなく、「ソテツ」の木だそうです。その一方で、日本では鐘をつく棒にシュロが使われることが多いようですが、韓国の校友(こうゆう、すなわち早稲田大学の卒業生)から贈られたあの鐘をつく棒が、本当にシュロかどうかはまだわかりません。「?」はますます深まっていきますね。

みなさんが、私の息子と同じように、その後も忙しく、でも楽しく生活を送っていることを願います。

加藤恵美より

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