2024年度第2回GMPフォーラム
日時:6月4日 (火) 15:05~18:30
場所:15号館201教室
第2回フォーラムには、昨年度の海外合宿で私たちが訪問した香港科技大学のGlobal Business(GBUS)の学生が早稲田に来訪し、GBUS-GMP Joint Sessionを行いました。Sessionの課題に合わせてBaseload Power Japan社とスウェーデン大使館の方々を審査員としてお招きし、GBUSとGMP学生の共同ケースコンペティションを実施しました。
今回のSessionの課題は、スウェーデンの会社で、日本での地熱資源を活用した小規模バイナリー発電所の建設・運営に携わるBaseload Power Japan社の新たな地熱発電所建設プロジェクトを想定したビジネスピッチを作成することでした。事前課題ではGBUS学生とGMP学生が混合チームを組み、本プロジェクトにおける対象地域(北海道、東北、九州のいずれか)、その地域における潜在的課題、そして地熱発電の直接的・間接的利益についてオンラインで話し合い、3分間の動画形式で共同プレゼンテーションを提出しました。その後、Sessionを担当した商学部准教授であるエドマン先生とBaseload Power社のCEOであるSund氏による選考がなされ、Session当日は動画選考を勝ち抜いた4チームが、地域社会の社会的、環境的持続可能性を考慮したピッチを行いました。発表後はSund氏とエドマン先生からフィードバックをいただき、学生主体でピッチに基づいたディスカッションを実施しました。動画選考で選出されなかったチームには「温泉経営者」「政府」「地元住民」「地元NGO」のいずれかの役が与えられ、各ステークホルダーの視点に基づいた意見を出し合いました。Sessionの最後には学生と審査員の方による投票が行われ、最優秀チームと最優秀ステークホルダーが選出されました。
Session終了後には、GBUSとGMP学生の交流を目的とした懇談会が行われ、GBUSのディレクターであるKoh教授、プログラムマネージャーのSharonさん、そしてGMPの教員6人も参加され、賑やかな場となりました。日本料理や和菓子のビュッフェを楽しみながら、お互いの文化や学びについて理解を深めました。最後にはGBUSからGMPの先生に、GMPからGBUSの先生にプレゼントが贈られるなど、温かい雰囲気で懇談会を終えることができました。
今回のSessionと懇談会を通してGBUS学生のレベルの高さを実感し、日々の勉学へのモチベーション向上につながったとともに、GBUS学生と楽しく交流することができ、大学生活の良い思い出となりました。
(GMP学生4年 栁千晴)
◆ GBUS-GMP Joint Session最優秀チーム(1班)メンバーのコメント
私たちのチームは対象地域として鹿児島県を選択し、地熱発電で生み出された電力を茶園の防霜ファンに供給するというアイデアを提案しました。鹿児島県は地熱資源が豊富なことに加えて、茶の生産量が全国第二位です。そのため、地熱発電の電力を使用して茶を栽培することで、鹿児島茶をより魅力的にプロモーションでき、訪日観光客が鹿児島を訪れるきっかけになると考えました。さらに、鹿児島県では、大規模機械を導入した生産を行っているため、将来的に防霜ファンを使用しない時期に、茶園の生産工程や加工工程で用いられる機械に電力を供給できる可能性を見出しました。一方で課題としては、桜島噴火の懸念、温泉への影響、そして実装費用の高さを挙げました。その結果、私たちのチームは最優秀賞を獲得することができました。
私はプレゼンテーションを実施するにあたり、防霜ファンや茶園の生産工程についての理解をインターネット上での知識を超えて深めたいと考え、週末を利用して実際に鹿児島県を訪問しました。現地では計3つの製茶会社様を訪れ、製茶における防霜ファンの重要性、生産工程における電力使用の可否、環境に配慮した茶生産についてのお話を伺いました。
今回のSessionを通して、地熱発電の理解を深めると同時に、再生可能エネルギー発電所の建設における地域社会への影響を考えるきっかけとなりました。
(GMP学生3年 渡邉孝太郎)