2025年4月26日(土)、HSBCグループ主催のビジネスケース・コンペティション世界大会の日本予選が、早稲田大学で初めて開催されました。本大会は、毎年夏に香港で実施される「HSBC/HKU Business Case Competition」への日本代表を選出する予選です。早稲田大学からは、GMP生たちからなる2チームが出場し、他大学の参加者とともに熱い競争を繰り広げました。またGMPはHSBCと連携して大会運営に携わり、日本予選を無事に成功へと導くことができました。
大会には、慶應義塾大学、法政大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学(2チーム)の4大学5チームが出場しました(五十音順)。各チームは4名で構成され、限られた時間の中で企業戦略の提案に挑みました。
コーヒーセッションの様子
当日はまず、出場者・審査員・HSBC関係者が集まり、カジュアルなコーヒーセッションを通じて交流を深めました。その後、準決勝が行われました。準決勝の課題は、100年以上の歴史を持つ香港の老舗ブランドが、企業の伝統と変化する消費者嗜好のバランスを取りながら、いかに持続可能なビジネスを構築するかというものでした。木曜の夜に課題が発表され、約24時間で資料を作成し、土曜日の午前中に発表を行うという形式で、各チームは、短時間で課題の特定、戦略の立案、プレゼンテーション資料の作成を行う必要がありました。発表は20分のプレゼンテーション、15分の質疑応答、8分のフィードバックという構成で行われ、審査員からの鋭い質問にも冷静に対応する姿から、各チームがこの日のために重ねてきた準備の成果がうかがえました。
準決勝プレゼンテーションの様子
準決勝の結果、立命館アジア太平洋大学と早稲田大学の2チーム、計3チームが決勝に進出しました。進出チームが発表されると、緊張と喜びが入り混じった表情が見られ、決勝に向けた準備にも一層熱が入りました。
ランチセッションでは、HSBCの方から同社でのキャリアに関する紹介がありました。国際的なキャリアを志す学生たちにとって、世界的金融機関の実情に触れることができる貴重な機会となりました。
ランチセッションの様子
午後には決勝戦が開催され、参加者は電子機器の使用が禁止された環境で、紙とペンのみを使って課題に取り組みました。決勝の課題は~日本の人材派遣企業大手パソナの企業理念を参照しつつ「淡路島を世界で最も過ごしやすい島にするにはどうするか」というものでした。パソナの創業者でパソナグループの代表取締役社長を歴任した南部靖之氏は、人材派遣事業で成功するかたわら、阪神淡路大震災の復興事業に関わり、また日本の農村部の人口減少への対策を検討してきました。こうしたパソナの理念と経験をふまえて、淡路島について、自然・文化・教育・農業などの諸側面から再活性化する方策を提示することが決勝の課題となりました。
2時間半という制限時間内で、施策の立案とプレゼン資料の手書き作成を行うという、創造力とチームワークが問われる形式でした。
早稲田チームが課題に取り組む様子
決勝出場チームが課題に取り組んでいる間、他の参加者や審査員、HSBC関係者は早稲田大学のキャンパス見学に参加しました。参加者からは、過去に訪れた時からの変化についての話もあり、案内をした学生側にとっても、母校の歴史や特徴を改めて知る機会となりました。普段は交わることの少ない企業の方々と学生が和やかな雰囲気で交流し、有意義な時間となりました。
キャンパスツアーの集合写真
キャンパスツアー終了後には決勝発表が行われ、広い会議室に集まった多くの聴衆の前で、各チームが順番にプレゼンテーションを行い、その後に質疑応答が実施されました。限られた時間で作成されたとは思えないほど完成度の高い発表が並びました。
決勝発表の様子
最終結果は、1位が立命館アジア太平洋大学、2位が早稲田大学チームB、3位が早稲田大学チームAとなりました。見事優勝を果たした立命館アジア太平洋大学は、日本代表としてHSBC/HKU Asia Pacific Business Case Competition 2025 への出場権を獲得しました。
優勝チーム
大会終了後には、リーガロイヤルホテルにてクロージングパーティーが行われ、参加者と審査員の間でフラットな交流が行われました。参加者たちは、実際のビジネスの現場で働く審査員からのフィードバックを受け、積極的に吸収しようとする姿が見られました。
リーガロイヤルホテルでの早稲田大学の発表チームメンバーと教員の集合写真
今回の大会は、GMPの学生にとっても、自らの力を試し、成長の可能性を実感する貴重な機会となりました。多様なバックグラウンドを持つ他大学の学生たちと同じ土俵で切磋琢磨した経験は、今後の学びや挑戦に向けた大きな糧になると感じています。来年もHSBCと連携して本大会を再び開催し、より多くの学生に挑戦と成長の機会を届けられるよう、運営面でも一層尽力してまいります。
(GMP 学生4年 佐々木晴香)