「財務経営陣のための
会計・ESG講座
~価値創造を目指して~」
※2024年度講座の情報はこちらです。
協賛:アビームコンサルティング株式会社・大和アセットマネジメント株式会社・ブラックライン株式会社・株式会社ラザード フレール(米国投資銀行)
後援:株式会社東京証券取引所・株式会社日本取引所グループ
はじめに
早稲田大学大学院会計研究科では、高い評価をいただいた2022年度の第1回に引き続き、2023年9月より第2回「財務経営陣のための会計・ESG講座 -価値創造を目指して-」を開講します。本講座は独自のプログラムで、企業価値を高めるための会計リテラシーを充実させるとともに、経営幹部やESG人材を養成することを目的としています。このために、日本はもとより世界中で活躍する優秀な講師を集め、20回にわたり会計・ESG(環境・社会・統治)を中心とした講義を行います。
プログラムの概要
財務経営陣は、財務・会計のトップであるだけではなく、経営企画(戦略の策定と実行)の能力も併せ持つものでなければなりません。また、単に数字に詳しいだけではなく、経営トップが意思決定を行う際のパートナーとなることが求められています。言い換えれば企業価値創造の受託者責任を負う「Value Steward(企業価値の番人)」だけではなく、「Value Creator(企業価値創造者)」でなくてはなりません。しかし、日本においては、経営幹部の財務・会計・ESGの知識獲得も未だ十分ではなく、価値創造のために何が必要なのかを考えなければなりません。
経営幹部が有すべき能力やスキルは、財務・財務会計・管理会計・戦略の策定と実行だけではありません。投資家とのコミュニケーションもきわめて重要です。いかに企業の戦略を投資家に理解してもらうか、またESGに代表される潜在的な「企業の見えない価値(非財務資本)」を企業価値に結びつけるべく、熱意と具体的なエビデンスをもって説明できなければならないのです。
本講座では、以上の要求に応えるために、大学院会計研究科の主催ならではのコンテンツを準備しました。具体的には、財務会計として今日の課題である人的資産をはじめとする無形資産の評価に関する論点を整理します。管理会計としては無形資産を財務の成果へと変換するフレームワークを紹介し、各種の管理ツールを有効に動かすための方策を整理します。さらに財務戦略、統合報告や「ESGの価値の定量化」に関連した最先端の実務を解説します。ESGの専門家はもとより、先進的な日本企業において財務経営陣がどのような役割を果たし、どのように仕事を行っているかを紹介します。投資家との対話としては、国内外の機関投資家のトップがESGも含めた価値創造の具現化に向けて企業に何を求めているか、どのように企業と関わろうとしているのか(エンゲージメント)について、著名な海外投資家の生の声も含めてお届けします。
以上のユニークなコンテンツを担当するのは、著名企業のCFO、国内外のトップティアの機関投資家、関連する公的組織および会計研究科の教員です。20回の講義は必ず、現役CFO、次世代のCFOを担う方々のお役に立つことと確信しております。
開講時期・場所
期間:2023年9月15日~2024年2月16日(祝日・年末年始を除く毎週金曜日 18時30分~21時30分 全20回)
場所:早稲田大学早稲田キャンパス(東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩8分) 対面講義(欠席時は録画視聴可)
受講対象者
企業派遣のCFOおよび経営幹部候補者。経理・財務・経営企画・ESG/サステナビリティ部門の担当者。金融機関やコンサルのアドバイザー。公認会計士あるいは税理士など、会計専門家であり社外取締役等の候補者など。
受講定員
50名 (定員に達しました。キャンセル待ちをお受けしますので、メールにてお問合せください。)
受講料
110万円(消費税込)
修了証
全回出席または録画を視聴し、適切な最終レポートを提出した受講者には、講座修了証を授与します。
プログラム内容
(2023年4月25日時点 テーマ・担当者とも変更となる場合があります。)
回 | 月日 | テーマ | 担当者 |
1 | 2023年9月15日 | 開講式・懇親会(講座の全体像/CFOの受託責任) | 柳 良平(早稲田大学客員教授) 清水 孝(早稲田大学大学院会計研究科教授) |
2 | 9月22日 | 企業価値創造理論と日本企業の課題 | 柳 良平 |
3 | 9月29日 | 上場会社の企業価値向上に向けた東京証券取引所の取り組みについて | 菊池 教之(株式会社東京証券取引所 上場部長) |
4 | 10月6日 | 渋沢栄一の「論語と算盤」の現代意義~インパクト投資の実践~ | 渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー代表取締役) |
5 | 10月13日 | インパクト投資の実際 | 柳 良平 |
6 | 10月20日 | ESG経営に関する柳モデルと実証エビデンス | 柳 良平 |
7 | 10月27日 | 人的資源のオンバランス化 | 秋葉 賢一(早稲田大学大学院会計研究科教授) |
8 | 11月10日 |
企業結合と無形資産
|
川村 義則(早稲田大学大学院会計研究科教授) |
9 | 11月17日 | ESG経営のためのバランスト・スコアカード活用 | 清水 孝 |
10 | 11月24日 | CFOの役割と実務 | 十時 裕樹(ソニーグループ株式会社執行役社長COO兼CFO) |
11 | 12月1日 | M&A実務の実際とESG | 秋山 健太(株式会社ラザードフレール代表取締役兼CEO) |
12 | 12月8日 | サステナビリティ行動の現状と実務 | 稲葉章代(三井住友トラスト・ホールディングス株式会社フェロー役員 サステナビリティ推進部長) |
13 | 12月15日 | 投資家のESGエンゲージメント活動 | 兵庫真一郎(三菱UFJ信託銀行株式会社資産運用部チーフアナリスト兼チーフファンドマネージャー) |
14 | 12月22日 | ESG経営とインパクト会計の事例 | 上脇 太(積水化学工業株式会社代表取締役専務執行役員 経営戦略部長) |
15 | 2024年1月12日 | デジタルESGの企業事例 | 今野 愛美(アビームコンサルティング株式会社、EXビジネスユニット Director)・ゲスト |
16 | 1月19日 | ドラッカースコアとパフォーマンス・柳モデルの適用 | Kelly Tang(ドラッカー研究所主任研究員)大和アセットマネジメント・柳 良平 |
17 | 1月26日 | 人的資源活用による予算の革新に向けて | 清水 孝 |
18 | 2月2日 | インパクト加重会計の詳細と展開 | David Freiberg(ハーバード・ビジネススクールに おけるIWAIの創立メンバー)・柳 良平 |
19 | 2月9日 | 日本企業のESG会計の事例 | 柳 良平 |
20 | 2月16日 | 修了式(講座のまとめ)・懇親会 | 柳 良平・清水 孝 |
*海外から著名投資家を招聘した場合、報告およびディスカッションは英語で実施されますが、柳良平先生が逐次通訳・解説を入れますのでご心配なくご参加ください。
プログラム責任者
清水 孝(早稲田大学大学院会計研究科教授)
早稲田大学商学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科満期退学。博士(商学)早稲田大学。朝日大学経営学部、早稲田大学商学部を経て2005年より現職。2016年よりめぶきFG社外取締役。公職として公認会計士試験委員(2016年~2018年)。
主要著書:『論点で学ぶ原価計算』新世社、2018。Management Control Systems in Japan, Routledge, 2017.『原価計算(改訂版)』税務経理協会、2017。『スタンダード管理会計(第2版)』(共著)東洋経済新報社、2017。『現場で使える管理会計』中央経済社、2015。『現場で使える原価計算』中央経済社、2014。他著書・論文多数。
柳 良平(エーザイ株式会社シニアアドバイザー、2017年~2021年、2022年~早稲田大学大学院会計研究科客員教授)
早稲田大学商学部卒業。米国サンダーバード国際経営大学院にてMBA(with distinction)取得。博士(経済学)京都大学。米国公認管理会計士、米国公認財務管理士。
銀行支店長、メーカーIR・財務部長、UBS証券エグゼクティブディレクター、エーザイ専務執行役CFO等を経て現職。アビームコンサルティング株式会社エグゼクティブアドバイザーおよびM&Gインベストメンツジャパン株式会社副社長を兼務。早稲田大学会計研究科客員教授として10年以上大学院で教鞭を執る。2017年度早稲田大学Teaching Award総長賞受賞。Institutional Investor誌の2022年機関投資家投票でヘルスケアセクターのthe Best CFO第一位(5回目)に選出される。
主要著書:『CFOポリシー 財務•非財務戦略による価値創造(第3版)』中央経済社、2023。Corporate Governance and Value Creation in Japan, Springer, 2018.『ROE経営と見えない価値』(編著)中央経済社、2017。『ROE革命の財務戦略』中央経済社、2015。『企業価値を高める管理会計の改善マニュアル』中央経済社、2010。他著書・論文多数。
問い合わせ先
早稲田大学大学院会計研究科 財務経営陣のための会計・ESG講座担当 [email protected]
参加申込書
こちらからダウンロードいただけます。お申込み前に、申込要項もご覧ください。
(ご参考)2022年度講座のご案内