こちら(PDF)をご覧ください。
2021年4月入学希望者向けのパンフレット(School Guide Book)からの抜粋となります。
2018年11月に早稲田大学で開催された対談の様子です。こちら(PDF)をご覧ください。
公認会計士は、企業と資本市場の間に立ち、財務情報の信憑性を担保することを使命として経済・社会の発展に貢献してきました。最近では財務情報だけではなく、サステナビリティー関連など非財務情報を含め、新たな価値創造にこれまで以上に積極的に関わっていくことが求められています。
それは、公認会計士のキャリアの多様化にも現れています。監査法人では、監査業務だけではなく、サステナビリティーやデジタルトランスフォーメーション(DX)、生成AIなどテクノロジー導入に関するアドバイザリー業務など、会計のスキルや知見をベースに仕事の領域は急速に広がっています。事業会社の経理・財務部門やスタートアップの最高経営責任者(CFO)などとして、若い頃から活躍する公認会計士も増えています。それは、公認会計士が「会計」の枠にとらわれず、新たな価値創造を牽引するリーダーとして社会から求められていることの証です。
早稲田大学大学院会計研究科は「会計+1(プラスワン)」というコンセプトを掲げ、社会の要請に応える人材育成を先取りしてきました。「+1」には、データサイエンスのスキルや世界と渡り合う英語力の習得など、多様なプログラムが用意されています。
皆さんには、大学院で学ぶ「会計+1」を土台に、公認会計士としての実務を積むなかで自分らしい「オンリーワン」の専門性を見出し、徹底的に磨き上げてほしいと期待しています。社会に貢献したいという健全な野心を抱く皆さんと一緒に、世の中にポジティブなインパクトを与えていくことを楽しみにしています。

私たちを取り巻く社会・経済環境は、テクノロジーの進化やグローバル化により、かつてないスピードで変化しています。こうした変革の時代において、会計の専門性は、企業活動の透明性を支え、社会の信頼を築くための不可欠なインフラとして、ますます重要性を増しています。
特に近年では、企業はサステナビリティ、ガバナンス、AI活用などのテーマにおいて世界の企業が共通して直面する経営課題への対応を迫られています。だからこそ、会計プロフェッショナルには、数字の適正性を確認するだけでなく、長期的な企業価値の創造を支える役割が求められています。
こうした期待に応える存在として、EY新日本は、「トラステッド・パートナー」として、クライアントやステークホルダーと真摯に向き合い、課題を深く理解し、信頼を得ながら未来を共に創ることを目指しています。これは「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」という私たちのパーパス(存在意義)に根ざしたものです。
会計の未来を担うのは、これからの皆さんです。AIやデータ分析などの先端技術を活用しながら、会計プロフェッショナルとしての判断力を磨き、資本市場の健全性と信頼性を支える役割を果たしていただきたいと心より願っています。
早稲田大学大学院会計研究科は、専門職大学院として、理論と実務を融合した教育を通じて、会計・保険数理の分野で高度な専門性と実践力を兼ね備えた人材を育成されています。資格取得を通過点とし、その先で専門職として競争優位を築くための「深い学識」と「卓越した能力」を養う場として、非常に意義ある学びの環境だと感じています。この研究科で得た知識と経験を糧に、皆さんが社会に信頼されるプロフェッショナルとして活躍されることを期待しています。
公認会計士は、資本市場における財務情報の信頼性を独立した立場から保証するという独占的な地位が法的に与えられており、資本市場のインフラとして重要な役割を担っています。デジタル化の進展、ESGへの取組みの要請等、資本市場を取り巻く環境が急激に変化している中で、会計士をはじめとする会計プロフェッショナルは、ステークホルダーとの対話を通じてその変化する期待を十分に理解し、的確に応えていくことが求められています。
私は、これまで企業をはじめとする様々なステークホルダーとの関係を通じて、自らの成長を実感し、公正公平な志を貫きながら資本市場に貢献することのできる公認会計士という仕事の魅力を日々実感してきました。資本市場のインフラとしての役割を果たすためには、高い倫理意識が必要不可欠であり、また、変化するステークホルダーの期待に応えるためには、会計に関する高い専門性を有したうえで、ビジネス全般に関する知識を統合して物事を考える能力が求められます。
早稲田大学大学院会計研究科では、「高い倫理意識のもと、会計および隣接領域の専門家として不可欠な知識の習得とコミュニケーション能力の向上を通じて、自ら問題解決にあたる」応用力の習得が期待されています。まさに、これからの会計プロフェッショナルに必要な資質の土台と考えます。皆さんが同研究科でこの力を身に付け、日本経済の成長を支える会計プロフェッショナルとして活躍されることを期待しています。
地政学リスクの高まりやテクノロジーの進化により、社会の変化が急速に進んでいます。それに伴い、既存の仕組みでは信頼が担保できない、信頼の空白域が生まれています。会計のプロフェッショナルは、経済社会の基盤となる情報の信頼を担う存在として、大きな役割を果たすことが期待されており、その将来にはさまざまな可能性が広がっています。会計監査にとどまることなく、より広い領域における信頼の確立、例えばサステナビリティ情報開示の支援に加え、その情報の信頼性を担保する保証、スマートシティなどでGPSやIoTなどから得られるあらゆるデータの信頼性を確保する仕組みの構築など、未来の社会における「信頼の空白」域を埋めていく役割を担っていくと信じています。
早稲田大学大学院会計研究科では、会計の専門家として高潔な倫理観と専門知識・能力を備え、ビジネス分野における幅広い能力を有する人材を育成するために、理論と実務を融合した多角的なプログラムを展開されていると伺っています。同研究科で学ばれた皆さんが、一人一人の個性や強みを活かし、変化する社会の信頼を担う会計プロフェッショナルとなり、さまざまな分野で信頼を担う存在として活躍されることを心より期待しています。