国際教養学部・国際コミュニケーション研究科事務所
向井 滋(2008年既卒入職)

早稲田大学から日本の教育に変革を

-本学に応募されたきっかけを教えてください。

学生時代にアルバイトで塾の講師をしており、もともと教育に関心がありました。前職も教育業界だったのですが、より教育現場に近いところで働きたいと思い、早稲田大学の職員に応募しました。大学という環境は、幅広い学生に対する教育実践の場でもあり、やりがいを感じています。早稲田大学での取り組みを通じて日本の教育全体に良いインパクトを与えたい、与えることに貢献したいという想いで仕事に取り組んでいます。

-今現在どのような業務を担当されているのか、お聞かせください。

早稲田大学の国際化をけん引する、国際教養学部の事務所に勤務しています。国際教養学部では、正規学生の約3分の1が日本以外の国籍を保有しており、さらに年間350名ほどの外国人留学生を受け入れています。私の担当は、主に国内の高校生向けの入試広報や入試の実施です。入試を分析する過程では、求める学生と実施している入試の内容が一致しているのか、実施プロセスは効率的かなど、PDCAをまわす中で様々な課題が見つかります。それを事務所のメンバーや教員と共有・検討し、解決していくのが基本的な業務フローです。改善策の提案では、根拠やロジックが弱いと受け入れてもらえません。データ分析や論理的かつ体系的な思考も求められる仕事でもあります。

イギリスで学んだ「個性と共存」の重要性

-職員向けの海外派遣プログラムを通して感じたことを教えてください。

本学職員向けの研修の中に海外協定大学でインターンシップを行えるプログラムがあります。私はイギリスのバーミンガム大学が派遣先でした。同大学はイギリス国内の大学ランキングでの立ち位置は、日本における早稲田大学と大きく変わらないのですが、世界大学ランキングやノーベル賞受賞者の輩出などでは本学を大きく上回っています。しかし、大学の事務体制や教育内容では、本学が劣っているわけではなく、改めて世界大学ランキングなどの尺度が欧米の大学基準に由来するものであることを痛感しました。同時に、現地の語学学校で早稲田大学の名前を出すと、必ずと言っていいほど世界大学ランキングの順位を聞かれたことも事実です。今後、世界大学ランキングを意識した活動と、それに拠らない大学のPRの両方が不可欠だということを、この研修を通じて強く実感しました。「世界で輝くWASEDA」の実現のためにも、国際教養学部と他学部との連携、外国人留学生と日本人学生との交流の促進が、その第一歩だと考えています。

-海外研修のテーマは「障がい学生支援の在り方」でしたが、気づきはありましたか。

偶然にも、ホームステイ先のホストマザーがソーシャルワーカーとして障がい者を自宅に受け入れており、私も障がい者の世話をしながら生活をすることになりました。イギリスは障がい者支援の先進国であり、障がい者に対して寛容であることを肌で感じることができました。今後、早稲田大学も留学生の受け入れを拡大する中で、これまでより広範な障がい者支援が求められるでしょう。質的なものに留まらない、量的な部分での支援の拡充、受け入れる学生の状況に応じた体制整備の必要性を感じています。国際教養学部のキーワードは多様性です。日本人と外国人の壁、健常者と障がい者の壁を越えてコミュニケーションが活発化することで、学生たちに新たな化学反応が生まれることを期待しています。

-早稲田大学職員を目指す皆さんへメッセージをお願いします。

大学職員は一般的に「事務職」にカテゴライズされる仕事です。目先の事務仕事をこなせば、なんとなく仕事をした気になり、仕事をしたと思ってもらえるかも知れません。だからこそ、そのような環境に安住するのではなく、事務仕事は事務仕事できちんとこなした上でその人だからこその「+α」を考えていくことが重要です。また、海外研修制度を利用し、社会人としてインターンシップを行ったことは、具体的な学びを得る貴重な経験になりました。今後、本学の職員として海外研修に行かれる方には、どんなことでも良いので「自分に必要な学び」を得て欲しいと願っています。

取材・文=児島 惠美(教育学部1年:公認サークルマスコミ研究会所属 学生ライター)
撮影=髙橋 榮

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WASEDA University

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