子どもたちの“理科が好き”を育む①

子どもたちの“理科が好き!”を育む

科学実験教室「ユニラブ」開催

2019年8月7日(水)、小中学生のための科学実験教室「ユニラブ」が早稲田大学西早稲田キャンパスで開催。同イベントは今年で32回目となり、大盛況の一日となりました。イベントの魅力と当日の様子を、主催者・出展者のインタビューを交えてレポートします。全3回連載の今回は第1回です。

科学の面白さを未来世代に

科学実験教室「ユニラブ」とは?

早稲田大学理工学術院が主催する「ユニラブ」は、実験や工作の体験を通じて、小中学生が科学や技術に対する知的好奇心を高める機会を提供するとともに、大学の技術力・研究力を広く社会に公開することを目的にしたイベント。理工系の学部が集まる西早稲田キャンパスで1日がかりで行われ、キャンパス内の教室などを活用して、事前予約制の「実験教室」や予約なしでも参加できる「実験体験コーナー」を提供します。それぞれの企画は、早稲田大学の研究室や学生団体によって運営されており、子どもたちが研究者や学生と交流しながら科学を学ぶことができるのが最大の特徴です。大学の専門実験室や実験装置を活用するため、小中学校の授業では味わうことのできない貴重な体験を提供しています。

ユニラブ、32年間の歩み

第1回のユニラブが開催されたのは1988年。本学理工学部創設80周年記念行事の一環としてスタートしました。『大学の設備や技術を、地域の子どもたちに還元できないか』という機械工学科(当時)永田勝也教授の発案がきっかけで開催が決定。子供向けの科学実験イベントは当時では先駆的な試みでした。当初は1回限りの予定でしたが、問い合わせが急増したことなどから、以後毎年開催しています。

1995年頃に「青少年の理科離れ」が社会で話題となったこともあり、ますますこのような取り組みの重要性が増しました。

また、近隣区役所など公的機関との広報連携、学会による協賛、企業からの技術や物品の寄付など、多くの方々から支援をいただくようになりました。

1998年の第11回から2000年の第13回では、文部科学省の科学系博物館活用ネットワーク推進事業の一環で帯広市児童館や富山市科学文化センターといった外部機関が出展、2008年の理工学部創設100周年記念にあたる第21回ユニラブでは2日間にわたり実施するなど、新たな試みを実現させるとともに、参加者は徐々に増加しました。これまで参加者の延べ人数は25,000人に達しており、日本全国、そして国外からの参加者もいます。

四半世紀以上にわたり科学実験教室を開催し、科学技術の普及啓発活動に取り組んできたこれまでの歩みによって、2017年には科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞理解増進部門)を受賞しています

ユニラブが目指すもの

早稲田大学 ユニラブ事務局担当 島田 剛

「今や大きなイベントとなったユニラブは、多くの方にご支援をいただき発展してきました。当イベントをより有意義なものにするため、2017年の第30回を機に、従来の『社会貢献』というスタンスだけではなく、内部の参加者にもメリットが生まれるような方針を打ち立てました。大学が企業と進める共同研究のアウトリーチや、学生の『教える』という経験を通じた成長などです。大学関係者がイベントを通じて広くつながり合うことによる効果に私たちは今後期待しています。

最近では、国際化の取り組みの一環として、台湾やシンガポールなどでも実験教室を行い、海外における本学の認知度のさらなる向上を目指しています。

ユニラブの良いところは、世界で活躍する研究者が大学に集い、直接子どもたちと交流するところです。私は約5年ユニラブを担当していますが、子どもたちが安心・安全に実験に参加し、より人々の交流が増えるように、毎年試行錯誤しております。

ユニラブは、理工系への関心が高まるきっかけになります。過去の参加者には、本学理工学部に入学し、その後企業の研究職として歩み始めた方もいますし、参加した保護者さまの中には、子どもの頃にユニラブに参加した方もいました。ユニラブによって、科学に対する関心が広がり、新たな理工系の人材が生まれることは、やりがいを感じますし、社会全体にもお役立ちできると考えています」

⇒第2回に続く (2019/10/11掲載)
⇒第3回へ (2019/10/18掲載)
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