第24回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」贈呈式 受賞者挨拶 ― 石濱 陵 氏

【文化貢献部門 大賞】
ETV特集 膨張と忘却 ~理の人が見た原子力政策~

NHK Eテレ

石濱 陵 氏の挨拶

 

このたびは栄誉ある賞をいただきまして、厚く御礼申し上げます。

この番組は、記録と証言によって主に構成されていまして、まず膨大な記録を残してくださった吉岡斉先生、そしてその資料を保存して整理してくださった早稲田大学綾部先生はじめとした研究者の皆様と九州大学の文書館、それからボランティアの皆様に御礼申し上げます。

また、本当に幅広い方にご証言をいただいており、この間残念ながら吉岡先生の原点について語ってくださった弟の拓さん、それから長計会議という番組の核になる会議の経過について語ってくださった伴英幸さんのお二方がお亡くなりになってしまいました。故人をはじめとして立場を超えて証言してくださった証言者の皆様にもこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。

いま、原子力は世界的な潮流の中で再び注目を集めています。国も原子力の最大限活用を謳って、原発の再稼働・新増設の動きも活発化しています。その最中にあって、政策決定に関わる方々には、世界最悪レベルの事故を起こしたこの国の原子力政策がいかにして決まってきたのか、この番組で明らかになったように、閉鎖的かつ非合理な政策決定を重ねて膨張を続けてきた、そのことに真摯に目を向けて、その教訓を今後の政策づくりに活かしてほしい、その責任があると思っております。

一方で、原子力を含めてエネルギー政策は、私たちの生活にも大きく関わっていますので、吉岡先生が訴え続けたように僕ら自身も関心を失わずに、注視し続けなければいけないと思っています。

番組を田中総長もまだご覧いただいていなかったということで、見ていただいていない方も多いと思います。ジャーナリズム大賞もいただいたことですし、NHKの関係者も今日ここに多く出席していますので、陰に陽に働きかけて、どんどん再放送してほしいと、多くの方に観ていただきたいと思います。

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