School of Law早稲田大学 法学部

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入学前からの関心事が法学部での学びやボランティア活動でさらに深まり、キャリア選択へ

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Thu 23 Mar 23

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Thu 23 Mar 23

「法学部教育奨学金」は2006年度から支給が開始された、法学部独自の奨学金です。校友や、法学学術院専任教員および退職教員など200名以上の方々の寄付等に支えられ、支給実績は延べ120名以上。

1年生時に奨学課の奨学金登録を行なった法学部正規生(自宅外通学者のみ対象)から、学業成績と人物の評価等により受給者が決定されます。年額40万円が3年間継続して給付される、入学後に申請する学内奨学金の中では最も条件の良い奨学金の一つと言えます。

校友・教員の熱い思いをつなぐ法学部教育奨学資金について、受給学生の声をお届けします。

 

椎根小稀さん(2023年3月卒業・福島県出身)

奨学金に申請したきっかけ・使い道

親が負担してくれていた家賃・学費以外の生活費(食費や日用品費、医療費など)やサークル費等は自分のアルバイト代で賄う必要がありましたが、1年次からプロフェッショナルズ・ワークショップやボランティアなどの活動、学業等で忙しくしていることが多く、アルバイトの時間を捻出するのに苦労していました。そのため、もし受給させて頂くことができたら、やりたいことにより打ち込んで、活動の幅を広げることができるのではないかと考え、奨学金に申請しました。

奨学金は、主に教材費や学外での活動費などに充てさせていただきました。具体的には、ボランティア団体での活動費、3年次に関心を持っていたEQ(Emotional Intelligence)に関する資格を取るための費用、4年次後期にマルタ共和国への語学留学に行くための渡航費などを賄うことができました。法学部教育奨学資金は3年間継続支給なので、自分自身の関心に素直にしたがって、幅広い活動に時間を使うことができました。

私は1年春学期に履修したGEC科目「体験の言語化」の授業がきっかけとなり、「自分の感情を自分の言葉で表現することがもっと当たり前の社会になれば良いのに」と感じるようになりました。所属しているWAVOCのボランティア団体もこの授業をきっかけに知りました。

WAVOCのボランティア団体では、宮城県の小学生に自分の好きなものを見つめ直してもらう授業を企画したり、群馬県の進学校に進路相談会に行ったり、メンバーと協力して様々な活動をしました。その他に、自分自身でも「体験の言語化」のTAにチャレンジしたり、学外でも自分のテーマと共通点があると感じた団体でインターンをしてみたりと、とにかく色々な場に足を運びました。「私が本当に関心を抱いている分野はなんだろう」「私は私の関心分野でどんなパワーや強みを活かせるのだろう」という問いについて、4年間をかけて模索し続けることができたことは、これからの人生にとってのとても大きな財産になったと思います。

  • 前橋女子高校での活動の様子。コロナ禍でもメンバーの出身高校などの繋がりで活動の場所をつくり、活動を継続してきたとのこと。 地方出身のメンバーと、地方ならではの大学選びの悩みなどを話し合って、自分たちがロールモデルのような存在になれるようにと、活動内容に反映していったとのこと。

  • 留学先のマルタの景色

入学前からの関心事が法学部での学びやボランティア活動でさらに深まった

実は高校生の時に高校生の人材育成を行なっている福島県の団体 で活動しており、自分たちで社会の課題を見つけ、その課題を解決するというProject Based Learning(課題解決型学習)を経験させて頂きました。そこには、福島県内だけではなく東京や様々な地域から大学生がサポート役として来てくれていて、大学生との活動が、自分の進路選択などに影響を与えてくれました。この体験から、自分も大学生になったら、中学生や高校生など年下の子たちに、勉強を頑張って良い成績を取ることだけを目指すのではなく、自分の興味関心に沿って主体的に学んだり、他者との関わりの中で自分らしさを見つけてもらうことを手助けする活動をしたいという気持ちが芽生えました。上京したいと思ったのも、大学生の方々から東京の大学での活動や研究のことについて話を聞いたことがきっかけとなっています。

入学して、1年次・2年次は法学部の必修科目で六法を中心に学ぶことがあり、要件を覚えて事件に当てはめて結論を出す、結論ありきのパズルをしているような感覚もあったのですが、3年次からは、「ジェンダーと法」や、「刑事政策」など、それまでとは違った視点から法律を考えるような授業が増えて、視野が広がり、授業で得られた経験や知見が自身の関心を深めることにつながったと思います。

「体験の言語化」と法学部での学びのつながり

体験の言語化 」の担当の先生がDV被害者支援やジェンダーを専門とする方で、この授業を生み出したきっかけがDV被害者の支援をするための方法論だったそうです。“自分自身の尊厳や権利を取り戻すには、自分自身の言葉を取り戻さなければならない”ということを授業のなかで話されていたのがずっと印象に残っていました。その後、法学部で「ジェンダーと法」、「少年法」、「刑事政策」などの科目も履修しました。

小西暁和先生の「刑事政策」では、刑罰は本当に被害者救済の役に立っているのかを考察する課題がありました。その中で、実際の事件から死刑存続の是非を議論したのですが、先生は、最初の週にはまず、凄惨な事件を取り上げ、次の週に、その事件の被害者遺族についての動画を取り上げました。それは、遺族の方が、“加害者は死刑になったが、自分は真相を知りたかったから死刑にしないでほしかった”と語り、死刑廃止のために活動をしているという動画でした。

私は、最初の週は、事件の様子を見て死刑は存続すべきだと感情的に思ったのですが、次の週の動画を観たときに、事件は起きない方がよかったことに違いはないけれど、被害者遺族は真相を知り、自分なりに理解して言葉にして生きていかなければならないのかもしれない、と感じたところがありました。この点が「体験の言語化」での“自分自身の尊厳を取り戻すために自分自身の言葉で語らなければならない”ということと繋がると感じました。

法学の面白さ

もともと女性の社会進出や家族をとりまく課題に興味があり法学部を選んだので、1年次の授業も面白くて波に乗れ、主専攻のゼミが始まってからはより面白くなりました。「ジェンダーと法」や、所属している家族法のゼミでは、解決できていないことが多いジェンダーや家族の課題を扱っています。

授業では、たとえば、夫婦別姓の実現のためにどうしたらよいのか、子供のいる親の性転換が認められるには等、現状を覆したいと思ったら、法律に対しどのような反論ができるのかを考察し議論します。法律を適用するだけであれば要件を覚えればよいけれど、反論するには客観的に理論立てる必要があります。一方で、現状を覆したいという動きの根源には、様々な人の感情があります。つまり、どうしたら幸せになれるのかというそれぞれの気持ちに寄り添い、当事者になりきって考えてみることが必要な場面が多々あります。

当初は、法学は客観的でゲームのような、頭だけを使う学問と思っていた部分もありましたが、そうでなはく、法律は人間の生活を左右するものだから、当事者の気持ちや感情に寄り添うという手順を踏むとより面白くなるというのが、法学の魅力だと感じます。感情のように主観的な部分だけではなく皆が納得する客観性も必要、一方で、頭でっかちになっては人の気持ちが置いて行かれてしまう。感情と理論のバランスに法学の面白さを感じます。

学生生活の過ごし方

複数の奨学金を受給したほか、アルバイト収入と併せて学生生活を送ることができました。

1日に何件も用事をこなして忙しくも充実した日々を送りました。授業に行って、ボランティア活動をして、サークルに行って、課題をこなして、テスト勉強をして、アルバイトやインターンをして、、、よく8号館の1階や3階の学生ラウンジで、隙間時間に授業の課題をこなしていました。インターンは、ボランティア団体の先輩の紹介から、スクーリングのある通信制高校でTAのような形で有給のインターンをしていました。その高校には、私が高校生のときにやっていたのと同じProject Based Learning(課題解決型学習)が授業のカリキュラムに組み込まれており、その授業の運営を補助したり、生徒が取り組む企画を支援したり、高校生のときに憧れていた大学生と同じ立場で活動をすることができました。

在学中に受給した奨学金
【早稲田大学の奨学金】
・法学部教育奨学金/給付/3年間
・大隈記念奨学金/給付/1年間
・都の西北奨学金/給付/4年間
【学外の奨学金】
・複数受給

対話によって新たな価値や意味が協創される社会の実現に貢献したい

今後の進路と展望

株式会社コーチ・エィに4月から就職します。コーチ・エィは、「多くの人が自らの主観を持ち込んで対話に参加し、そこで新たな意味や変化を共創する、それこそが組織、会社、社会の未来を創造していく」という哲学を持っており、「世界中の人が、対話に参加できる機会を創り出す」ということを理念として掲げている会社です。「人々が自分の考えや感情を互いに表現し合うことが、社会をより良くする」というコーチ・エィの哲学が、私が大学生活で追い求めたテーマととてもよく重なっていると強く感じ、コーチ・エィへの就職を決めました。いずれは私もコーチとして、社会に対話を生み出すことに貢献できるよう尽力したいと思っています。

法学部在学生や、受験生へのメッセージ

入学前は東京で一人暮らしをすることに不安を感じていたこともありましたが、早稲田の手厚い給付奨学金制度のおかげで、結果的に4年間自分らしく学び続けることができました。金銭的な事情が理由で、早稲田に憧れがあるけど諦めかけている高校生、学生生活に不安を感じている早大生は、一度早稲田の給付奨学金制度を調べてみてほしいと思います。早稲田大学で過ごす学生生活を一人ひとりが素敵なものにできることを心から祈っています。

2023年1月インタビュー

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