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萬歳教授から皆さんへ―国際法を通じてグローバル課題への対応を学ぶ

国際法を通じてグローバル課題への対応を学ぶ

法学部教授 萬歳 寛之

 

私は、クリスチャンではありませんが、高校時代、週2回、学校の教会で聖書を読み讃美歌を歌う環境にいました。大学受験については、親戚のほとんどが早稲田大学出身(父親も法学部出身)という環境の中で育ったため、当然のように早稲田大学を受験し、政治経済学部と法学部に合格し、選択に迷っていました。当時私は、河合塾千駄ヶ谷校に通っていたのですが、そこでEU法を研究する大学院生(現在では大家)に英文法を習っていました。その方から、尾高朝雄『法の窮極に在るもの』を渡され、これを読んで面白いと思ったら法学部にいけば、と言われました。著者は、戦前・戦中・戦後を生きた法学者として、法が政治に利用され、国民を苦しめる側に立ったことを痛切に反省し、法は政治によって作られるものであるとしても、法が法として独自に政治を規制する力を探求しながら力強く筆を進めていたことに感銘を受けて法学部を選択しました。今から思うと、国際的視野をもった教育や著書などから、色々な影響を受けて国際法という分野を専門にしたのだと思います。

 

ゼミでの中国合宿

国際法とは、簡単にいうと、国家間の約束事です。日本が初めて国際法と出会ったのはペリー来航の時です。それ以降、日本は武家政権から近代国民国家へと転換しましたが、日米和親条約という1本の条約が、一国の国家体制を転換させるきっかけになったのです。国際法は、今では、国際連合などの場において、各国が、戦争、人権、環境、経済などといったグローバルな課題について外交交渉を行い、人類の生存や福祉のために作り上げていく法規群となっています。しかし、国際社会には、国内社会とは異なり、国家権力のような強制執行手段がありません。であるからこそ、執行権力がなくとも、法が法としての固有の力をもって各国の動きをどのように正しい方向にもっていけるのかを検討できる学問でもあります。そうした時に重要なのは、法解釈技術を身に付けていることはもちろんですが、欧米、アフリカ、アジアなどの各地域の人たちに納得してもらえるだけの普遍性とバランスを兼ね備えた論理を展開できる複眼的思考力です。早稲田大学法学部の学生は活力があるので、こうした複眼的思考力を身に付けるべく、海外の大学の学生と議論するための合宿(観光も含む)にも積極的に参加してくれます。国際法を通じて、皆さんと一緒にグローバル課題に取り組んでいける日を楽しみにしております。

 

法学部教授 萬歳 寛之

東京都私立明治学院高等学校卒業
早稲田大学法学部卒業
早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程公法学専攻国際法専修満期退学
[研究分野]  国際法上の国家責任論

 

※この記事は、2021年7月時点での情報に基づいています。

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