- ニュース
- 大学院での学びから行政の現場へ(考古学コース:飯島史尊さん)
大学院での学びから行政の現場へ(考古学コース:飯島史尊さん)
- Posted
- Tue, 13 Oct 2026

発掘調査現場での現地説明会の様子
飯島史尊(修士課程(考古学コース)修了生)
私が考古学コースを志望した理由
小さいころから博物館が好きで、古い物事に興味を持っていたことが原点です。また、考古学は文字として歴史には残らない人々の「暮らしの道具」を直接取り扱うことができる点にも魅力を感じていました。
学部で専攻を決めた当初は、4年間で区切りをつけるつもりでした。しかし、在学中に新型コロナウイルスの流行により、キャンパスへの立ち入りや図書館の利用などさまざまな行動が制限される事態となりました。十分な学習や研究ができないまま学部生活を終えることに心残りを覚え、「もう少しこの学問にきちんと向き合ってから社会に出たい」と考えたことが、大学院進学の率直な理由です。
考古学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流
コース内には、教員や先輩方が相談に乗ってくれる気風がありました。多様な専門分野を持っていらっしゃるため、研究に行き詰まったときや専門外の知見が必要になったときに相談を持ちかけると、親身になって的確な助言をいただける環境でした。手取り足取り教えられるのを待つのではなく、自らの意思で考え、必要に応じて専門家の胸を借りることで、自分の興味にとことん取り組める場所だったと感じています。
コースでの学びとキャリア
地方自治体等で埋蔵文化財を専門とする学芸員が度々募集されますが、大抵の場合、その業務は文化財保護行政全般に関わります。文化財の種類を問わず、文化財がこれまでどのように守られてきたのか、これからどうすれば守れるのかを行政の立場から考える仕事です。そのため、学芸員という言葉にイメージされるような博物館での教育・普及活動や発掘調査だけでなく、配属先によっては民俗芸能や建造物まで担当することになります。私自身、学生時代の専門とは程遠い業務にも携わりました。たとえば、建造物の管理を担当したときには、破損個所の修繕が必要になり、文化財の価値を損なわない方法を検討しました。また、補助金の交付業務を担当したときには、民俗芸能の継承活動や、仏像の修理などの費用について、補助の対象として規定に沿ったものか、内容を踏まえて審査する必要がありました。
必要に応じていろいろな知識を増やしながらの業務ですが、楽しく、やりがいを感じながら取り組めています。全く知識のない分野の業務に取り組むとき、仮説を立てたり、根拠を集めたり、論理を組み立てたりと、大学院で取り組んできたことは仕事でも基礎になる部分だと感じています。
研究にかける思い
大学院では、縄文時代を対象として研究に取り組んでいました。縄文時代は人々の暮らしぶりだけではなく、社会のあり方や考え方が現代と大きく異なる時代です。文字を持たない過去の人々の社会を、発掘された遺物というわずかな証拠から考えていかなければなりません。そのため、考古学的な遺物の研究だけでなく、多様な分析手法や理論を取り入れることも必要になります。
現在、幸いにもさまざまな文化財に最前線で触れられる職場におります。視点を広げながら、過去の社会に対して自分なりに説明ができる部分を、これからも増やしていきたいと考えています。
プロフィール
東京都出身。早稲田大学文学部考古学コース卒業後、同大学大学院文学研究科考古学コースに進学。在学中は縄文時代の動物形土製品をテーマに研究。修了後は千葉市に入庁。現在は千葉市埋蔵文化財調査センターに勤務。
(2026年10月作成)
- Links
- 先輩紹介ページ