人間とは何か。
古来より、この問いはあらゆる学問が抱えてきた究極の命題です。とりわけ、価値観が多様化し、人間を取り巻くあらゆる事象が複雑化・多元化する現代社会においては、人間の本質を探り、「私」自身のアイデンティティを確認することはもっとも大きな課題であるといえるでしょう。しかし、物質や情報の豊かさとは裏腹に、人と人、人と社会との関係が希薄化しつつある現代を生きる人々が、その答えを見出すことは容易ではありません。
こうした問題意識に立ち、人間に対する多面的なアプローチを通じて、現代社会の諸問題に立ち向かうたくましい叡知を備えた人材を育てることが、本論系の目的です。そのために各プログラムを貫く共通のテーマを「ともに生きる」とし、「生き方」や「心」「人との関係」といった、私たちが日常的に突き当たる問題に切り込んでいきます。その特色は次の3 点です。第1に社会学、心理学、文学、哲学、倫理学、宗教学、教育学、社会福祉学などを基盤としながらも、その枠組みを超えて学際的・総合的にアプローチします。第2 に、問題解決の軸足を「現代」に定め、現代人の精神構造や倫理、コミュニケーション、人生などについて探究します。第3に、少子高齢化や環境問題、企業倫理や子育て、心の問題とセラピーなど、具体的な諸課題を念頭に、その解決を模索しながら思考と論究を深めていきます。
このように本論系は、現代人と現代社会の諸問題に新しい視点で向き合う教育研究の場であり、多彩な科目群と教授陣、ゼミ活動やフィールドワークなどがこれを支えています。
プログラム | 演習・ゼミテーマ |
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「多様性を生きる人間」論 | 【ゼミ】 ディスアビリティと現代/クィア・スタディーズ |
【演習】 生きて働くことの臨界/福祉社会の臨界/相互承認の技法/日常動作の社会学/ダイバーシティ研究の実践/引きこもりから見る社会/視覚と差別/クィア・スタディーズ/エスノメソドロジーの方法/セクシュアリティ研究の実践/フェミニズム理論 |
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「関係を生きる人間」論 | 【ゼミ】 子ども・若者文化と居場所/社会の変化と人間関係/プラクティカル・エシックス/高齢社会の生と死 |
【演習】 若者の自立と移行/子ども文化と社会病理/親密圏の論理と倫理/現代人と人生/近代的人間観の論理と倫理/生きづらさの論理と倫理/現代社会における死の諸相/老いを生きる など |
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「発達を生きる人間」論 | 【ゼミ】 現代人の心理/現代人の心の発達 |
【演習】 現代社会と心の機能/心をしらべる/現代人のアイデンティティーの心理/自己形成と無我/心の回復と成長/現代社会における心理学の意義/人間関係の生涯発達/発達の生得性と環境効果/現代の子育てを考える/現代人と家族 など |
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「心身を生きる人間」論 | 【ゼミ】 超越と人間/心身論/生命と人格/科学技術と社会 |
【演習】 心身の健康と幸福/身体の実践と科学/道徳意識の研究/実存と他者の倫理/生命・医療の論理と倫理 /死生学と現代社会/現代社会とAI など |
教員が提案する文化構想学部 各論系の履修モデルをご紹介します。
一人ひとりのテーマにあわせて自由に学習がデザインできます。
ディスアビリティと現代 ~福祉/社会と生き方の構想
幅広い分野に関心を持ち、それを社会の構想と自分自身の生き方に引き付けて考えることができる人。
一般企業はもとより、公務員、教員、大学院進学、NPOや福祉分野など多様な進路に開かれています。(プロの野球選手やミュージシャンになった人も)
ゼミでは基本的に日本語文献(翻訳を含む)を講読するので、特に指定はありません。好きな外国語を学び、そしてできれば短期間でもいいので、その国で「暮らす」ことをお薦めします。
私が担当する「障害学」と「福祉社会論」の受講によって、ゼミの学びの基本的な枠組みや概念を得ることができます。「性暴力の社会学」(熱田敬子先生)と「貧困と社会的排除」(大西連先生)、「障害とルッキズム」(西倉実季先生)などもお勧めです。
そのほか、ジェンダー、セクシュアリティ、エスニシティ、社会学、社会福祉、哲学、教育、文学、心理などの領域の講義群を自分自身の問題関心に従って渉猟し、4年次のゼミ論文/卒業研究執筆の核になるテーマを見つけてください。
【ゼミ】私が担当する「ディスアビリティと現代」ゼミでは、「障害の社会モデル」※を手がかりとし、加速する新自由主義と閉塞する福祉国家を交響する公共圏へと再構築するために必要な「自由の平等」と新たな福祉のかたち(ケア・運動・政策・制度的再分配)について、障害、ジェンダーとセクシュアリティ、エスニシティの領域を往還しながら、読み/調べ/考えていきます。
※障害(disability=できないこと)は個人の属性ではなく、社会的に構築されたものである、とする考え方。
【演習】「生きて働くことの臨界」(春期演習):就活や非正規雇用の“生きづらさ”、若者の労働運動、能力主義や分配的正義、生活保護バッシングなどの福祉社会のイシューを参照しつつ、働くことを含む生き方の自由が生存の平等を棄損しない社会の在り方やそのために必要なシステムを構想します。
「福祉社会の臨界」(秋期演習):いのちを分ける、老い/呆けること、〈貧困〉問題のリアル、臨界を超えて、という4つのテーマを設定し、福祉社会の臨界にせめぎあうさまざまな課題について、講義や映像の視聴、ディスカッションを繰り返しながら多面的に検討していきます。
その他、ゼミの学びとの関連が深い演習として「ダイバーシティ研究の実践」(堀真悟先生)「ひきこもりからみる社会」(関水徹平先生)、「視覚と差別」(吉村さやか先生)などもお勧めです。
クィア・スタディーズを中心に、この社会の「生きづらさ」をすり抜ける、あるいは解体する思想と技法を学びましょう。
この社会における「普通」の生き方が自分にはしんどい、と思ってしまう人。
各自ご自由に。自由に生きるのが一番難しく、しかし一番面白いのですから。
特になし。外国語が得意な人はそれを活かせばよいですし、(私もそうですが)苦手な人にもやりようはあります。ただし、本気で学びたいなら腹を括って英語の文献を読む必要がある、とは思います。
私が携わる「セクシュアリティの社会学」「クィア・スタディーズ入門」を含め、「ジェンダー」「フェミニズム」「セクシュアリティ」「クィア」「男性学/女性学」などのキーワードでシラバスを検索して、興味を持つものをいくつか履修しておくとよいかもしれません。また、文学や哲学、社会学など、特定のディシプリンを1つ決めて、その概論にあたる授業を履修するのも重要です。
【ゼミ】クィア・スタディーズ
性について、調べて分析して誠実に考えてみる」「この社会におけるさまざまなマイノリティ(少数派)の置かれている苦境を調べて分析して誠実に考えていきます。性を恥やからかいの対象としてでなくまじめに面白がり、その先にこの社会の公正さを構想する、そんな営みを地道にやっていくことになります。
【演習】ジェンダーやセクシュアリティ、あるいはさまざまな社会問題に関する演習を履修すると良いと思いますが、くわえて重要なのが、文献購読の授業です。丁寧に学術書や論文を読む、それも集団で読むという作業は、知性の涵養にきわめて効果的な方法の一つです。私が担当する「相互承認の技法」「フェミニズム理論」も文献購読の要素を含みますが、これらに限定せず自由に選び、じっくりと本を読む体験をしてみてください。
子どもや若者の文化をあじわい、「居場所」ある社会を構想する
人が社会のなかでさまざまな文化に囲まれて生き、育っていくことの面白さや不思議さに関心のある人。さまざまなできごとに対して自分と社会とを結びつけながら考えていきたいと思っている人。
人とかかわるあらゆる仕事(公務員、教員、子ども・若者支援系、教育系、福祉系、インフラ系、IT系、出版系、金融系など様々なところに就職していっています)
特にありません。言語は考えたり、他の文化を理解するためのツールになりますので、自分の関心のある文化の言語ができると楽しいでしょうね。
現代人間論系総合講座/子ども・若者支援と共生社会の形成/福祉文化論/教育福祉論/生と死の教育/教育とジェンダー/コミュニケーション論/社会倫理学/子どものこころ/大人のこころ/ジェンダーの社会学/公共性の哲学思想 などの履修をおすすめします。
ただ、子ども・若者や文化に対するアプローチは千差万別。自分で「軸」をさぐりつつ、他学科・他学部の授業も含めて、自由にご自分の関心を深めていってください。自分の研究をすすめていくためのディシプリン(社会学、教育学、心理学、比較文化等々…)についても学んでおくとよいでしょう。
【ゼミ】子ども・若者文化と居場所
子ども・若者にかかわる社会の文化的状況やその状況に抗する文化がどのように生成し、展開していっているのかをとらえていきます。多様な角度から子ども・若者の文化に焦点をあてつつ、現代を生きる子ども・若者の「育ち」や居場所、それを支える社会のあり方を考えていきましょう。
【演習】私の担当は「子ども文化と社会病理」「若者の生活世界と移行」ですが、そこにとらわれすぎる必要はありません。演習は、アクティブに学びを深める良い機会なので、関心のある演習をとって、積極的に学んでいくことがなにより大切です。
関係性を再考する・善き社会の実現に向けて学生像
「人びとの支え合い」を構築することはできるのか、親密な関係は今後どうなるのか、といったことに興味関心のある人。
報道、地方公務員(総合的な視点から物事を判断し、対策を検討する能力を求められる場)
とくにありません。日本語だけでも多くの文献を読むことが大事です。
コミュニケーション論、日常生活の社会学、地域・都市論、現代日本社会論、社会学概論、社会調査法1、社会調査法2、現代社会論1、現代社会論2
【ゼミ】社会の変化と人間関係
【演習】サイバー空間の論理と倫理/親密圏の論理と倫理
超高齢者社会において共に生きるための仕組みについて創造する。
現代の社会情勢や社会文化に興味関心を持ち、多角的に考えを巡らせる人。
報道、公務員(国家・地方など)、教育委員会・教員、地域共創に重点をおく企業。
特にはありません。興味関心がある国について考えたい場合は、その国の言語に興味関心を持っておいてください。
生と死の教育/高齢社会とコミュニティ/現代人間論系総合講座/ライフストーリーの社会学/現代人の居場所/コミュニケーション論/社会倫理学/教育福祉論 など
【ゼミ】高齢社会の生と死
超高齢社会における老いと高齢者の生き方、青年や若者、高齢者など様々な人の死と健康、人々と地域のつながりについて考えます。そして、これからの社会をどのようにすれば良いのかを制度施策や実践課題に即して、歴史的・思想的・社会学的だけでなく、教育学・福祉学をもとにした教育福祉学的研究を試みます。
【演習】現代社会における死の諸相/老いを生きる
現代社会の倫理的課題~ともに生きる倫理を考える
日々、新聞を読みながら、そこで報道されているさまざまな事象が自分にとって「どうでもいいものではない」と思ってしまうような人、かつ、真に理性的に考えようとする人。
現代社会の倫理的問題に対して、その問題性を深く認識する能力を活かして活躍する。これまでのゼミ生の特徴的なフィールドとしては、社会福祉系の団体やソーシャルベンチャーへの就職が挙げられる。高校公民の教員免許を取得して、教員になる人もいるだろう。
どの外国語を選んでも、一生ものの実力をつけるようしっかり学んで欲しい。
コミュニケーション論/現代人間論系総合講座/社会倫理学/日常生活の社会学/福祉社会論/哲学1/哲学2/倫理学1/倫理学2/応用倫理学/論理的思考法/情報社会論/子ども文化論/現代人と居場所/生命倫理/公共性の哲学思想/高齢者とコミュニティ
授業履修に際して、哲学・倫理学に関連する諸科目と社会学・教育学に関連する諸科目との双方に学びの幅を広げるよう、心がけてください。
【ゼミ】プラクティカル・エシックス
(本ゼミは、さまざまな社会問題に対し、それがどのような意味で問題であり、そのような方向で解決すべきであるかを探求しつつ、既存の道徳に対しても既存の社会に対しても、批判的に検討を加えるような哲学・倫理学的研究を展開します。)
【演習】環境問題の論理と倫理/近代的人間観の論理と倫理/親密圏の論理と倫理/生きづらさの論理と倫理/現代社会における死の諸相/若者の生活世界と移行
人間の個人差と共通性~現代人の心のようすを探る
人間のこころの動きに関心があり,人間どうしの関係や,人間と社会との関係で生じる疑問・問題を解き明かしたいと考えている人。
人間を理解すること,また人間を理解するための心理学的な方法論を身につけることにより,幅広い活躍の場が考えられます。
英語で書かれた文献が多いことから英語を身につけることが望ましいといえますが,どの言語を身に着けても世界が広がります。
大人のこころ(発達心理学)/子どものこころ(発達心理学)/個性の発達と差異/感情・人格心理学/その他心理学関連科目
【ゼミ】現代人の心理
現代社会を生きる人々の個人差と共通性に注目しつつ,発達や適応について考え,心理学の方法論を用いて実証することを試みます。
【演習】現代社会と心の機能/現代人のアイデンティティーの心理/現代社会における心理学の意義/心をしらべる/自己形成と無我/心の回復と成長/人間関係の生涯発達
人間発達の探求
人間の生涯にわたる発達に関する様々な疑問を,科学的に探究していきたいと考える人。
特に想定はしていません。なお心理学の知識や考え方を学ぶことは自己理解の深化につながりますので,是非進路を考える上で役立ててほしいと思っています。
特にありませんが,英語の文献が読めると学習がより深まるでしょう。
またどんな言語であれ,学習することで異なる文化的価値観に触れることができ,それは自文化を相対化することにもなります。可能なら留学にも積極的にチャレンジしてみてください。
現代人間論系総合講座/子どものこころ(発達心理学)/大人のこころ(発達心理学)/人間の発達と文化/人間の発達と進化/心理学概論
【ゼミ】現代人の心の発達
「他者とかかわる心の育ち」という人間らしい発達の側面について扱います。心理学的な方法を用いて,生育環境とダイナミックに相互作用しながら自己や他者についての表象を構築していく過程を客観的に捉えていきます。
【演習】心をみる/心をしらべる/発達の生得性と環境効果/現代の子育てを考える/人間関係の生涯発達/現代社会における心理学の意義
上記にかかわらず様々な学問分野の授業を履修し,それらの知を関連づけることによって問題の本質を見極め,あるいは新たな問題を発見し,多面的な見方・態度を育成していっていただきたいと思います。
宗教思想・哲学を手掛かりに、「人間とは何か」という問いにぶつかってみましょう。
この世界における人間の立ち位置に疑問をもってしまうような人。人間と「目に見えない何か」との関係が気になってしまう人。人間を超えたものについて考えてみたい人。
皆さんの自由です。どこに行っても生きていけるような、人間としてのバッファ(余裕)を身に着けてもらえたら嬉しいです。
言語は道具ですので、多いに越したことはありません。英語の文章は読めた方が良いでしょう。またそれ以外の外国語をひとつ。余裕のある人は何か古典語をひとつ(ギリシア語、ラテン語、アラビア語、サンスクリットなど、漢文や古典日本語でも大丈夫です)。「かじる」だけでも結構です。新たな世界が開けてくるでしょう。(ただし、これは一生かけての課題ですので、今は気楽に考えてください。)
私が担当する「霊性と身体」などの講義を取っておくと、全体像がつかみやすいかもしれません。とはいえ、自らの内面から湧き出る興味を大事にした方が良いので、自分の興味のある科目をとりあえず取ってゆくのが、遠回りに見えて実は一番の近道だったりします。
【ゼミ】超越と人間
「人間を超えたもの」、「目に見えないもの」と人間の関係をめぐってみなさんと学んでゆきます。そのさいに、古今東西の宗教的・哲学的なテクスト・表象を手掛かりにします。時代や地域を超えた人々のなかに宿る「何か」を探っていければと思います。
【演習】私が担当するのは「宗教と共同体」ですが、それに限らずみなさんの興味のおもむくままに学んでいってくだされば大丈夫です。一見バラバラなように見えても、最終的につながってくることはよくあります。大事なのは、つながってくるまで学び続けることです。
科学技術と社会の関係について、人文・社会科学のアプローチで考えていきます。
技術の発展やそれに関わる社会状況の変化に興味がある人。また、そのような社会状況の中で生きる人間の心や行動の変化に興味がある人。
特に想定するフィールドはありません。社会心理学やその他の人文・社会科学のアプローチを身に付けることは、皆さんが他者(家族、同僚、地域共同体など)と関わって暮らしたり、社会レベルの大きな問題に取り組んだりするときに役に立ちます。
大学院進学や公認心理師資格の取得に関心がある人は個別にご相談ください。
特にこれというものはありませんが、英語の文献が読めると情報収集が楽になると思います。
現代人間論系総合講座/AIと人格/科学リテラシー論/大人のこころ(発達心理学)/情報社会論/生命倫理/心理学概論/心理統計学
【ゼミ】科学技術と社会
人工知能などの科学技術の登場が私たちの生活に与える影響や、新しい技術が社会に浸透していく過程について考察します。ゼミで習得できる研究手法は主に社会心理学のアプローチですが、手法にこだわることなく、関心のある問題について多角的な視点で考察することを目指します。
【演習】現代人と情報科学/現代社会とAI/身体とエンハンスメント/現代社会と心の機能/心身の健康と幸福/心をしらべる・心理学実験/調査データ収集・分析の手法
これらの授業での学習に加えて、日頃からニュースに触れ、現代の社会の状況について(科学技術に関わることに限らず)情報収集しておくとよいと思います。
心理学や実践の視点から、心身のウェルビーイング (健康と幸福) について学び、体験しましょう。
より良い人生を生きていくこと、健康と幸福、心身の疾患や不調、自己と他者・社会など、私たち自身の心身とそのウェルビーイングをめぐるテーマに関係がある人。つまり、これを読まれている方全員。また、心理学の研究や実践に興味のある人。
特に想定している分野などはありません。心理学や実践の知識は、どんな分野でも自らを支える土台となり、役に立つはずです。研究者を志す人、大学院への進学を希望する人、公認心理師の資格に関心のある人には、詳しく助言を行っています。
通常のゼミ活動は日本語で行っています。各自の関心内容や研究上の必要によっては、英語の文献も参照する場合があります。
心身論/生活世界と身体/現代人の身体/現代人間論系総合講座/心理学概論1, 2/心理統計学1, 2/大人のこころ(発達心理学)/子どものこころ(発達心理学)/知覚・認知心理学/神経・生理心理学/臨床心理学/学習心理学/霊性と身体/生命倫理/AIと人格/科学リテラシー論
【ゼミ】心身論
私たち自身の身近な心身とそのウェルビーイング (健康と幸福、望ましいあり方) を全体のテーマにしつつ、心理学やその関連分野について幅広く学び、体験しています。心理学の代表的な各分野の知識や、基本的なデータ解析方法なども、予備知識がなくても基礎から習得できるように学んでいます。また、3年生で実際の研究活動を体験してもらい、4年生でのゼミ論文の完成につなげています。さらに、ヨガ、武道、笑いの体操、音楽療法/音楽鑑賞、マインドフルネス (ストレスケア、心身の調整)、トラウマケア、東洋医学 (養生法) などの実践 (ボディワーク/身体教育) を体験する機会を提供しています。
【演習】心身の健康と幸福/身体の実践と科学/ボディワークの理論と実践/心をしらべる・心理学実験/調査データ収集・分析の手法/心をみる/現代社会と心の機能/自己形成と無我/道徳意識の研究/実存と他者の倫理/現代人と情報科学/現代社会とAI
生命と人間を巡る現代社会の問いを掘り下げていきます。
現代社会が直面している様々な問題を、哲学・倫理学・心理学などを基礎に、人間観、人間関係から考え、深めていくことに興味をもつ学生。深く考える哲学的な知性、現実の具体的問題に対する感性、どちらも大切にしたい学生。
教員、研究者、ジャーナリスト(環境問題、医療問題など専門をもつジャーナリスト)、出版や放送界、官庁などが考えられますが、できれば、様々な専門分野のどれにもうまく属さない職種、いわゆる「ニッチ」にも目を向けてください。たとえば、情報の取り扱いの専門家や危機管理などがそうで、こうした新たな職種に挑戦してほしいと思います。「ニッチ」となる部門には需要があるのですが、一般に人材不足といわれています。
言葉は、私たちの世界をつくるものですから、ドイツ語でも、フランス語でも、ロシア語でも、中国語でも、アラビア語でも、とにかく、英語以外の語学を一つ、是非勉強してください。
どのような科目があるか、皆さんで「心身」、「身体」「生命倫理」「人格」などシラバスを検索してみて調べてみましょう。他学部にもいろいろな関連授業があります。まずは、以下のようなブリッジ科目をのぞいてみてはいかがでしょうか。
応用倫理学 / 生命倫理 / 心身論 / 生活世界と身体 / 霊性と身体 / 哲学的人間学 / 心の哲学・心の科学 / 西洋思想史3(近代) / 倫理学1/ 倫理学2/ 科学リテラシー論 / 社会倫理学 / AIと人格など
【ゼミ】生命と人格
生命倫理の問題を中心に、他者、コミュニケーション、共同体、身体、自律など、さまざまなテーマから、人間を考えていきます。
【演習】道徳意識の研究 / 実存と他者の倫理 / 生命・医療の論理と倫理 / 死生学と現代社会 / 心をみる / 身体とエンハンスメント / 死生学と現代社会 / 宗教実践と身体性 / 現代社会とAI / 宗教と共同体