2018年1月12〜14日の3日間、早稲田小劇場どらま館でリーディング公演『コリオレーナス』が上演されました。シェイクスピア劇を本学学生により上演するという試みは2016年より始まったもので、2回目の今回は国際教養学部の主催、文化推進部文化企画課の共催により実現しました。この舞台は全学の学生を募集してオーディションにより選抜し、最終的に合格した14名により演じられましたもので、リーディングという脚本を手に持ったまま行うものの、朗読劇とは異なるダイナミックな動き・アクションが多いことが大きな特徴でした。
『コリオレーナス』は古代ローマの政治的な戦い、母と息子、正義、名誉の問題などを孕む極めて難しい劇ですが、これまでシェイクスピア劇および日本の代表的な舞台作品を演出してこられた文学座の西川信廣氏に演出を引き受けて下さり、非常に明瞭な内容の劇になりました。また、俳優の学生たちも短い稽古期間ではありましたが、日々の必死の努力が実り、学生というレベルを超えた大迫力の舞台となり、観客の皆様から多くの感動の声をいただくことができました。
よく知られているようで難しいと言われるシェイクスピアの劇を、本学の学生がわかりやすく演じるこの上演プロジェクトは、本学のシェイクスピアの伝統を引きついでゆくことを実践するとともに、今後のさらなる発展に向けた可能性を秘めるものでした。