モジュール「グローバルビジネスの経営戦略」
責任者:平野 正雄教授
1.目的
今日のダイナミックなグローバル経済の中で、そのあり方を問われているのは企業だけでありません。社会も国家も、そしてもちろん私たち個人も、大きく変容する世界に向かい合い、自らの生き様を見出して、活路を開いていかねばならない時代です。このモジュールでは、21世紀のグローバル化の実態や諸問題を、経済や企業活動からだけではなく、政治や社会などの多面的な観点から共に考察・討議することを通して、一人一人がビジネスリーダー・マネージャーとしてグローバル経営を構想・実践するための確かな視座を持つことを目標としています。それは、同時に海外の人々からのリスペクトを獲得し、グローバル組織で活躍するための人間力の涵養でもあります。
2.内容
本モジュールでは、経営戦略の理論や企業事例を学ぶことに終始しません。初年度は、主にその前提となるグローバル化に伴うマクロな問題(資本市場動向、地政学的リスク、気候変動、など)やミクロな市場動向(新興国の消費者特性、都市化の進展、テクノロジーの影響など)をじっくり洞察する機会も設けます。その際には適切な外部講師も交えることで、多面的に議論を深めることに努めています。その上で、二年度は最新のグローバル戦略の理論や実際の企業のケーススタディなどを通して、実践的な戦略策定力や問題解決力の体得を目指しています。
3.対象とする学生
グローバルな事業環境において活躍し、充実したキャリアを形成することを目指されている人材を募集しています。職種や業種は問いませんが、成長意欲と好奇心、そして行動力に富む人材の応募を期待しています。
4.教員からのメッセージ
グローバル経営は、最もダイナミックで重要な経営戦略のテーマです。その対象範囲は広く、市場開拓やマーケティングから、サプライチェーンや拠点展開、研究開発体制やイノベーションマネージメント、組織文化論や人材開発、そしてM&Aや事業再編まで、殆ど全ての重要な経営課題を包含します。従って、本モジュールやゼミでは、グローバル経営と言うテーマの下で多様な経営課題を議論し学ぶことで、マネージメントに必要な多面的な知識やインサイツを獲得することができるのです。その学びの中に、私自身の経営コンサルタントやPE投資家としての長期にわたる実務経験が投影されることで、理論に偏らないビビッドで実践的な経営問題の解決能力も体得することもできます。
そして、本モジュールには多様なバックグラウンドの人材が集い、それぞれの立場から真剣な議論を重ねる一方で、OBOGも参加する様々な親睦の機会も多く、ゼミ生の間には共に学び、そして成長しようという空気が満たされています。その中から、どんなグローバルな環境の中でも、自分の考えを持ち行動ができ、そして周囲の人々からのリスペクトが得られる魅力的な人材として、一人一人が巣立っていくことを願っています。