WASEDA Business School (Graduate School of Business and Finance)早稲田大学 大学院経営管理研究科

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研究科について

Dean's Message

研究科長挨拶

ビジネススクールは人生を変える

早稲田大学大学院経営管理研究科長 竹原 均

ビジネススクールとは

専門職大学院としてのビジネススクールは、経営学を教える学部、大学院とは様々な点で大きく異なります。ビジネススクールで経営学の理論的研究や企業経営の実情に対する知的好奇心を満たすために学んでいる人もいるでしょうが、主たるターゲットは、社会人としてより高いレベルのキャリアを目指したい、進むべき道を変えたいと考えている人です。現在勤務している企業で昇進し、より挑戦的な仕事をしたい、経営に携わりたいというだけでなく、転職、起業、事業承継など、変化の道は多様です。かかわる組織も、営利企業に限らず、非営利組織、公的機関などさまざまでしょう。そのような考えを持つ学生に早稲田大学ビジネススクール(WBS)は、キャリアアップ、キャリアチェンジに必要な知識、能力を修得していただき、変化を後押ししたいと考えています。

このように強く動機づけられた人が学んでいるため、ビジネススクールでは受け身の授業はあり得ません。授業の多くは、ケースメソッドなど、参加者が中心となって作り上げる形態をとっています。すなわち、学生が相互に、あるいは教員とのディスカッションを通じて、自分の意見をぶつけ、相手の意見を吸収し、新たな視点、考え方を作り出していく、きわめてダイナミックな学習なのです。

もちろんOJTや社内研修でも、さまざまな知識を身につけることはできます。しかし、キャリアアップ、キャリアチェンジを行うためには、それでは不十分です。まして転職するのであれば、これまで蓄積してきた知識が適用できなくなるのは明らかです。トップマネジメントになれば、他の組織構成員とは異なる次元の視点も必要となるでしょうし、現在の職務に特有なスキルとは異なる能力が必要となります。月並みな言い方かもしれませんが、今日の社会は急速な変化に直面しています。新しい技術が次々と現れ、市場が変質し、社会がグローバル化するなか、これまでの経験が役に立たない実務上の問題が山積しています。経験したことのない問題に取り組むためには、組織、業界、地域に特有なローカル知識ではなく、グローバル・スタンダードである経営知識が役に立ちます。また、問題の本質を見極め、ソリューションを生み出し、それを実行していく問題発見・解決能力、実践的スキルを身につけなければなりません。その意味で、ビジネススクールはますます重要な役割を果たしていくことになると考えています。

早稲田大学ビジネススクール(WBS)の特徴

WBSは、1973年にシステム科学研究所が始めたビジネス教育(ノンディグリー・プログラム)に端を発し、その後、アジア太平洋研究科、商学研究科ビジネス専攻と組織変更を重ねながら、MBAプログラムとして発展してきました。そして、2016年4月には、商学研究科ビジネス専攻とファイナンス研究科の二つの専門職大学院が発展的に統合し、新たに経営管理研究科が誕生しました。これにより、ビジネス教育とファイナンス教育が一段高いレベルで相互に強化されました。世界的に注目度の高いMSc in Finance(全日制・英語)が設置されたほか、夜間主プロフェッショナルプログラムには、従来のマネジメント専修に加え、CFO 育成などを目的とするファイナンス専修が設けられました。

WBSは、そのミッションに掲げているように、実践的な知識の創造、グロ―バルな視点を有したリーダーの養成、ラーニング・コミュニティの形成を目指しています。WBSの教員には、経験豊富な経営幹部や超一流のコンサルタントであった実務家教員と、経営の各分野において第一線で活躍している研究者教員が揃っています。この教員構成だからこそ、机上の空論ではなく、かつこれまでの経営経験の単なる伝承でもない、実践的な知(Actionable Knowledge)を生み出すことができます。

また、WBSには、全日制グローバル、MSc in Financeといった、英語で全教育が行われるプログラムがあり、世界中のさまざまな国から留学生が来ています。英語プログラムがあるからこそ、海外の一流ビジネススクールからの引き合いも多く、学生・教員それぞれのレベルで交流が盛んです。その結果WBSでは、おのずと異文化交流が行われ、グローバルな視野が身につきます。

最後に、もっとも重要なことは、多様なバックグラウンドを有する多くの優れた学生が集い、素晴らしいラーニング・コミュニティを形成しているということです。ディスカッションを通じた参加型の授業であることはもちろん、WBSでは全学生がゼミに所属し、担当教員や他のゼミ生と濃密な交流をし、修士論文を仕上げることになっています。このラーニング・コミュニティの存在こそが、ディスカッションを通じた実践的な知の創造、リーダーシップの醸成に不可欠なのです。

WBSは多様なプログラムを提供しており、それゆえ学生数、教員数の点で、日本で最大規模のビジネススクールです。学校の規模の大きさは、結果でもありますが、それ自体が強みの源泉でもあります。学生数が多いので多数の授業を提供することができ、だれもが自分の問題意識に合った授業をいくつも見つけることができるでしょう。また、多様なメンバーからなる大きなラーニング・コミュニティなので、教育効果がより大きくなります。さらに修了後も、ともに起業したり、仕事で協力し合ったり、公私の悩みや喜びを分かち合ったりと、ビジネススクールで共に学んだ仲間は一生の財産となります。在学生・修了生のネットワークが大きいということは、大きな財産を得られることを意味するのです。

これからのWBS

先に述べたように、今日ビジネススクールの役割はますます大きくなっていますが、正直に言って、欧米あるいはアジアの諸外国におけるビジネススクールと比べると、まだまだ日本のビジネススクールやその市場は発展途上だと言わざるを得ません。それは日本企業の労働環境、人事制度が諸外国のそれとは異なり、MBA取得者が十分に評価されていないからだと考えられます。

MBA取得者の評価を高め、市場を拡大し、ビジネススクールを一層発展させるために、われわれは優秀な修了生を輩出し、社会的評価を高めていかなければなりません。ビジネススクールの市場を拡大するためには、WBSだけでなく、すべてのビジネススクールが切磋琢磨すること、すなわち競争していくことが必要でしょう。当然われわれWBSは、国内のビジネススクールとの競争に勝ち抜き、トップスクールの地位を確立したいと考えています。そのためには、優れたカリキュラム、質の高い教育・学習環境の整備など、多くの課題に挑戦し、進化していかなければなりません。 この過程で、WBSはAACSB、EQUISという2大国際機関からビジネススクール認証を受けています。

挑戦と進化は、日本のビジネススクールだけの課題ではありません。ビジネススクールを取り巻く環境は急速に変わっています。MBAプログラムが日本に比べて大きく発展しているアメリカでも、卒業生に高報酬を保証することが難しくなり、2年間のプログラムの機会費用が高くなっています。主たる就職先が先進国の大企業であった時代は終わり、ビジネス環境が全く異なる新興国や、ベンチャービジネスの比率が高まっています。このような変化に対応するために、対象学生のプロフィール、修了年限、専門領域などの点で多様なプログラムが開発され、これまで以上に企業者精神、グローバルな視野、異文化コミュニケーション、倫理などを重視するカリキュラムに教育内容が変更されています。

われわれWBSは、海外のビジネススクールとも競争していかなければなりません。世界のビジネススクールの挑戦と進化を視野に入れ、かつ日本に拠点があることの優位性を打ち出しながら、自ら変革していかなければならないと自覚しています。

多くの優秀な方がWBSで学び、ご自身のキャリアアップ、キャリアチェンジを実現されるとともに、社会の諸課題の解決、ビジネススクールの発展に一緒に力を尽くしていただけることを願っています。

略歴

竹原 均 教授

筑波大学博士課程社会工学研究科単位取得退学。筑波大学より博士(経営工学)を授与される。エムティービーインベストメントテクノロジー研究所(現三菱UFJトラスト投資工学研究所)研究員、筑波大学システム情報工学研究科助教授を経て、2006年より早稲田大学ファイナンス研究科教授、2016年よりビジネススクール教授。2020年9月研究科長就任。日本ファイナンス学会会長(2010年6月~2014年5月)。Journal of Business, Management Science等に論文が掲載されるほか、著書 Reform and Price Discovery at the Tokyo Stock Exchange from 1990 to 2012 (Palgrave MacMillan) により、第59回日経・経済図書文化賞を受賞。

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