学生寮の共同生活を支える仕事
-現在どのような業務を担当されていますか。
レジデンスセンターで、複数の学生寮を管理・運営し、学生の寮生活をサポートする業務を行っています。本学職員の多くはキャンパスにいる間の学生を支える業務に就いていますが、学生寮ではキャンパスを離れた学生の日常生活を管理しています。日々、本当にバラエティに富んだ出来事が起こります。大変ですがとても面白い業務だと感じています。
現在は、国際学生寮WISHの2階事務所に勤務しています。WISHの最大の特徴は、寮内教育プログラム「SI(ソーシャルインテリジェンス)プログラム」を行っているところです。私はこのSIプログラムの運営を担当しています。SIプログラムは、様々な問題解決に必要な社会人基礎力を養うことを目的に構成されています。様々な業界の方や、異色のキャリアを歩んだ方を講師としてお招きし、寮生に新しい知見やきっかけを提供することを目指して、プログラム編成を行っています。できるだけ学生の正課に差し障りのない時間帯である平日の19時から20時30分に開催するようにしています。
-早稲田職員に応募されたきっかけはどのようなものでしょうか。
韓国の大学を卒業後、文部科学省のプログラムを利用して早稲田大学に留学しました。卒業後一度はメーカーに就職しましたが、同じく韓国出身の友人が大学職員の道に進んだのを聞いて、この職に関心を持つようになりました。もともと韓国にいた時から、大学は学生の向上心を非常に大切にするという印象を持っており、私自身も学生から刺激を受けながら向上していけるのではと思い、応募することにしました。
早稲田大学を就職先に選んだ第一の理由は、本学での留学中の一年が非常に充実していたので、恩返しがしたいという気持ちでした。韓国の大学には学生の自治を重視した自由放任の気風がありますが、早稲田大学は対照的に、学生へのサポートが充実しているという印象があります。メンター制度やホームルーム機能を持った必修の講義など、学生を支える仕組みが充実しているところが本学の魅力だと感じています。
向上心を持って物事に当たり、多様性を尊重する精神を育む
-ご自身の海外経験が活かされた業務経験や、苦労されたことがありましたら教えてください。
日本に来てもう20年近くになりますので、他者との違いなど多様性に対する意識は持ち合わせていると思っています。また、韓国にいたときに兵役を経験したことで、物事に対する考え方がガラリと変わりました。仕事をしていると様々な苦労や忙しい時もありますが、その時に身についた忍耐力が活かされていると思っています。
最も苦労したのは言語の問題でした。日本語で会話する時に不自然な話し方になってないか、イントネーションが正しいかなど不安になったり、引け目を感じることもありました。会話の内容を確認するのに少し時間がかかったりすることもあったように思います。ですが、職場では同僚がサポートしてくれたので、働きやすい環境に恵まれていたと思います。
-10年後になりたい職員像を教えてください。
子どもが誕生したことがきっかけで、あらためて子どもの成長、教育について考えるようになりました。現在は特に中等教育に関心を持っています。早稲田大学にも中等教育に関わることができる部署(高等学院、中学部、本庄高等学院など)がありますので、そういった業務にも携わりながら、中等教育の視点からも高等教育や大学について考えることができる職員になりたいです。
10年後というのはまだあまりイメージできていませんが、私自身、職員になる前から「向上心をもって物事にあたる」というポリシーをずっと大事にしてきました。10年後もこの理念を変わらず貫き通して、早稲田大学の重要な戦力として貢献できる職員でありたいと考えています。
-早稲田大学職員を目指す皆さんへメッセージをお願いします。
大学の仕事は皆さんが想像している以上に多岐にわたります。入職後は本当にたくさんのことを学ぶことになるでしょう。大変なことも多いですが、やりがいを感じる仕事です。私自身、外国人であることで苦労した経験はありますが、周囲から不公平な扱いを受けたことはありません。むしろ、さまざまな価値観への理解や優しさが求められる職場ですので、ぜひ向上心を持って、多様性を尊重できるマインドを育んでいってほしいと思います。