スチューデントダイバーシティセンター障がい学生支援担当 地主 成美(2002年新卒入職)

あらゆる学生が学びに参加できる環境を目指して

現在担当されている業務を教えてください                   

スチューデントダイバーシティセンター障がい学生支援担当課長として早稲田大学における障がい学生に対する支援に取り組んでいます。

私が担当するアクセシビリティ支援センターでは、本学における修学上の合理的配慮(*)を円滑に実施するために、障がいを持つ学生からの相談に対して関係部署との調整をしながら支援を行ったり、教員・学生をはじめとした方々への情報提供・研修などを行っています。

例えば、聴覚障がいを持つ学生に対して、先生や学生の話をPCに入力・翻訳し、音声情報を文字情報にして提供したり、発達障がいや精神障がいのように特性に個人差がある学生に対して、個々に必要な配慮調整を行っています。

障がいについての理解を広める取り組みを通じてアクセシビリティを確保することで、障がいの有無にかかわらずすべての学生が学びに参加できる環境を整えていきたいです。

リンク:早稲田大学 アクセシビリティ支援センター

どのようなことにやりがいを感じますか    

やりがいは、なんといっても「学びたい」人が集まる場にいられることと、その方々をサポートできることですね。学生支援の前線に出ることができて、自分が大学に勤めたいと思った原点を思い出しています。

学生の状況は本当に千差万別で、1人として同じ事例はありません。様々な障がいがありながら調整を重ね、自身への理解を深めながら授業に取り組んでいる姿に日々勇気をもらっています。そういった学生たちが3月末の卒業式の日には「卒業できました」と事務所まで来てくれて、そうした瞬間にもやりがいを感じます。私以外のメンバーも同様にやりがいを感じているのかなと思っています。

今後の目標について教えてください

困りごとを抱えた学生がきちんと声を出しやすい環境と、その声をきちんと受け止める体制を整備することです。すべての学生のスタートラインを整え、本学において誰もが頑張ることが出来る環境をつくることが理想です。

本学は私立大学の中ではトップランナーとして、アクセシビリティの確立のために比較的早い段階から様々な声に耳を傾け、あらゆる問題に取り組んできたと自負していますが、国公立大学も含めた業界全体、日本社会、世界といった広い視点で見ると、整備しきれていないことがまだまだたくさんあります。

特に2024年からは「合理的配慮*」が義務化され、障がいのある学生へのサポートの注目度も高まっています。本学における障がい者支援について考え、社会が求めるニーズを把握しながら今後より一層サポート体制を強化していきたいです。

「進取の精神」それが早稲田のDNA

女性管理職としてのやりがいや難しさなどはありますか

管理職に関しては、管理職になると自身が実現できる仕事の幅が広がり、自分の想いを形にできる機会も増え、よりやりがいを感じられるようになりました。一方で、ひとりの職員として業務に対して実現したい想いと組織の管理職として職員を守る立場で葛藤することもあり、その点で管理職ならではの難しさを感じることもあります。

女性という観点では、私は過去に2回、産休と育休を取得しましたが、当時はまだ制度を活用することが当たり前ではなく、自分が休むことで周りの人に迷惑をかけてしまうと申し訳なく思ったこともあります。しかし、産休に入る前に先輩から「私たちが作ってきた制度を最大限活用して、次の世代につなぐのがあなたの仕事。10年後に同じ状況にある後輩を支えられるように、今は甘えておきなさい。」と声をかけてもらったんです。

この言葉には本当に救われました。

現在は社会的にも育休をとりやすい環境になり、本学においても制度面や周囲の理解が進んでいますが、私も後輩に対して同じ言葉を伝えています。

実際に男女問わず多くの職員が育休を取得していると感じます。

家庭と仕事を両立させることは大変なことではありますが、このような環境が整っているので、管理職という世界が広がるポジションに挑戦する人がさらに増えていってくれたらと思います。

職員に応募したきっかけを教えてください

大学時代の経験から、人を育てることに興味を持ったことがきっかけです。私は他大卒なのですが、所属していたゼミで面白い取組を行っている中小企業について研究していました。当時はインターネットがまだ走り始めた時代ということもあり、実際に商店街や工場地帯に赴いて起業家の方々のお話を伺っていたのですが、そういった活動の中で、起業家の方々のモチベーションや意思決定の軸といったものがどういう過程を経て形成されるのかということに興味を持ちました。

それが高じてアントレプレナー(起業家)を支援するNPO法人で大学生向けの支援活動にも参加したことで、次第に「人を育てること」にフォーカスが当たるようになりました。その後、自身が所属する大学の社会人向け講座の授業支援にも携わる中で、大学職員という教育に関わる仕事が非常に魅力的に映ったんです。

中でも本学は、当時の奥島総長のもとで次々と新しいことにチャレンジしていたので、ここしかないと思って志望しました。

早稲田大学職員を目指す皆さんへメッセージをお願いします

面白いことや新しいことに積極的にアンテナを張るのが本学の最大の特徴だと思っています。この印象は私が就職活動をしていた当時から変わっていません。前例がないことに先陣を切って挑戦するのは、時には苦難の連続ですが、同じ想いを共有している仲間と助け合いながらチャレンジできる一体感を長く勤めていて感じます。

また、先生方、学生、職員すべてが個性を持って輝いていることや、自分にないもの・足りないものを日々実感しながら成長できる場を提供してもらえていることも魅力の一つです。

現在本学では、2032年の創立150周年に向けてWaseda Vision 150のもと様々なプロジェクトが動き出しています。その中でチャレンジできる領域やチャンスは多く、目標に向かって教職員一丸となって取り組める環境が整っていると思います。

前例にとらわれず、あらゆることにチャレンジする精神を持った方と一緒に働けることを楽しみにしています。

 

*合理的配慮:障害のある人の社会的なバリアを取り除くため、事業者側の負担が重すぎない範囲で必要な対応をすること。2024年4月からは事業者による「合理的配慮の提供」が義務化されている。

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