理工学術院・高西淳夫教授が、世界最大の研究者・技術者組織であるIEEEのフェローに選出
早稲田大学理工学術院・高西淳夫教授が、世界最大の研究者・技術者組織であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)のフェローに選出されました。フェローは最高グレードの会員資格であり、フェロー昇格は極めて難関であることが知られています。
IEEEは「アイ・トリプル・イー」と呼称され、世界160カ国以上に400,000人以上の会員を擁する、米国ニューヨークに本部をおく非営利学術団体です。IEEEは、コンピュータ、通信、電力、ロボット、電子等39分野Society(学術グループ)を持ち、標準化も含めて世界の指導的な役割を担っています。
早稲田大学では、1970年に故・加藤一郎教授を中心としたグループが学科横断プロジェクトとしてWABOTプロジェクトを開始して以来、さまざまな人間形ロボットの研究開発が行われており、ロボット工学に関する世界的研究拠点として認知されるに至っています。このような経緯のもと、早稲田大学には次世代ロボット研究機構ならびにヒューマノイド研究所が開設され、高西淳夫教授はそれらの中心的メンバーの一人として、多年にわたり人間形ロボットの研究開発に取り組まれてきました。高西教授の研究成果としては、2足歩行ロボットWABIANならびにWABIAN-2、情動表出ロボットKOBIAN、楽器演奏ロボットWF-4ならびにWAS-5、医学教育用患者ロボットWKA-5、災害対応ロボットWARECなどがよく知られています。このような人間形ロボットはロボット工学分野においてヒューマノイドと呼ばれています。これらのヒューマノイド研究の成果は、IEEEが発行する論文誌や国際会議にて発表され、世界中の研究者に多大な影響を与えてきました。高西教授は、大学における基礎研究だけでなく、産学連携によるヒューマノイドの実用化にも取り組まれており、医学教育用患者ロボットなどは製品化されるに至っています。今回の高西教授のIEEEフェロー就任は、ヒューマノイドに関する多年にわたる研究開発が高く評価されたものです。
経歴
1980年 早稲田大学理工学部機械工学科 卒業
1988年 早稲田大学理工学部機械工学科 専任講師
1990年 早稲田大学理工学部機械工学科 助教授
1997年 早稲田大学理工学部機械工学科 教授
2007年 早稲田大学創造理工学部総合機械工学科 教授
2010年 早稲田大学ヒューマノイド研究所 所長
2015年-2016年 日本ロボット学会 会長