理工・笠原教授が世界最大の研究者・技術者組織IEEEフェローに選出

早稲田大学理工学術院・笠原博徳教授が、世界最大の研究者・技術者組織であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)フェローに選出されました。フェローは最高グレードの会員資格であり、フェロー昇格は極めて難関であることが知られています。

IEEEは「アイ・トリプル・イー」と呼称され、世界160カ国以上に420,000人以上の会員を擁する、米国ニューヨークに本部をおく非営利学術団体です。IEEEは、コンピュータ、バイオ、通信、電力、航空、電子等39分野Society(学術グループ)を持ち、標準化も含めて世界の指導的な役割を担っています。今回の笠原教授のフェロー就任は、スマートフォン、自動運転自動車からスパコンまでに使用される最先端のコンピュータ技術であるマルチコアプロセッサの構成法とコンピュータの速度向上とエネルギー削減を同時に達成するコンパイラというソフトウェアの研究開発が高く評価されたものです。なお、笠原教授はIEEE最大のグループであるComputer Societyの2018年会長にも選出されています。

笠原博徳教授のコメント

HironoriKasahara2016マルチコアプロセッサの構成法と自動並列化・電力最小化コンパイラの研究で2017年1月にIEEEフェロー称号を受賞することになりました。この研究は1982年頃から開始し、30年以上にわたり、指導教授であった成田誠之助名誉教授、笠原博徳・木村啓二研究室メンバー、共同研究を実施させて戴いた企業の皆様と共に、本学、学科、OB、グリーンコンピューティング研究機構、IEEE Computer Society、経済産業省、文部科学省のご支援も戴きながら、困難な問題を一つ一つ克服してきた結果、世界最高の技術と評価されるようになったものです。皆様に厚く御礼を申し上げます。

マルチコアプロセッサは、半導体の1チップ上に複数のプロセッサ(コンピュータの頭脳部)を集積し、処理の高速化と消費電力(エネルギー)の削減を同時に達成しようとする技術です。理論的にはプロセッサを沢山接続すれば性能は上がるのですが、一人で仕事を行うより多くの人が協力した方が速くなるという理論ですので、実際には如何に仕事を分割して全員が効果的に仕事を進められるように仕事を分けるかが重要となります。この仕事の分割・割当てを自動的に行うのが並列化コンパイラというソフトウェアです。また、最近では、多くのプロセッサを接続して作製するスパコン1台の消費電力が数十メガワット(1メガワットあたり1年の電気代が1億円)にも達し、電力の削減が急務となっています。本コンパイラは、処理をプロセッサに割当てたあと、他のプロセッサの計算結果を待っていたり、その瞬間に行える処理がないプロセッサを、瞬間的に止めたり、あるいはゆっくり動かす(速度を1/2に落とすと電力は1/8になるため)という制御を自動的に行うことができるようになっています。このような機能により、現在は、スマホの充電を1週間に1度にしたり、燃費が良く便利で安全性の高い自動運転車の実現、飲むカプセル内視鏡の開発により簡単に消化器の病気を発見したり、ガンを手術無く重粒子線照射で治療するシステム、あるいは太陽光で動作するスパコンの開発等を目指して研究を進めています。

このような研究が評価され、2016年10月には6万人以上の会員を持つIEEE Computer Society 2018年会長に選出されることもできました。今後は病気・災害から人命を救ったり、省エネで地球環境を守ったり、大学の知に基づく高付加価値製品の開発を産学連携で行うことにより、世界の便利で安全な生活の実現に貢献できるよう一層の努力を行っていきたいと考えております。

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