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第11回-2011年度 授賞作品

第11回(2011年度)石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞 授賞作品

公共奉仕部門 大賞

  • 作品名:ETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図 福島原発事故から2か月」
  • 受賞者:ETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図 福島原発事故から2か月」取材班
  • 代表 日本放送協会 制作局 文化・福祉番組部 チーフ・プロデューサー 増田秀樹
  • 発表媒体:NHK Eテレ
  • 発表年月日:2011年5月15日
  • 受賞理由:原発事故は人間を試す。多くのメディアは最も重要な時期の報道で、ジャーナリズムへの期待を損ない、東電と政府の言い分を追認し続けた。会見の情報に頼り、人々の被曝を広めることに手を貸してしまった。少数の例外はあるが、メディアの責任は大きい。そうした先陣を切っていたNHKの中で、良心の番組が現れ、人々に衝撃を与えた。それはジャーナリズムがまだ死んでいないことを示す証でもあった。
    この番組は、東電・国に、情報を開示させるきっかけにもなったと思う。本賞の大賞にふさわしい番組と言える。同時にもし局内の流れが淀んでいなければ、NHKニュースは、この取材で次々と発見される汚染の実態を報道し、もっと多くの人々を被曝から救ったのではないかとも思う。次はメディア自己検証の優れた番組を期待したい。(広河隆一)
  • 受賞コメント:このたびは栄えある賞にご選出いただき、まことにありがとございます。
    東日本大震災という歴史的な年にこのような賞をいただき、身の引き締まる思いであり、感慨無量でございます。その意味をあらためて胸に刻み、事実を正確に国民に伝えることに今後とも努力してまいりたいと思います。

 

  • 作品名:「大阪地検特捜部の主任検事による押収資料改ざん事件」の特報および関連報道
  • 受賞者:朝日新聞 大阪本社社会部・東京本社社会部 改ざん事件取材班 板橋洋佳
  • 発表媒体:朝日新聞
  • 発表年月日:2010年9月21日朝刊など
  • 受賞理由:さすがの検察庁も、「検察の理念」をあらたに掲げて発表するほどに、最近でも「足利事件」や「布川事件」など、冤罪事件の再審無罪がつづいている。ただ、これらは過去の不祥事としてあつかわれ、検察官捜査の根本的な改革には至っていない。
    そのなかでも、厚生労働省のエリート局長が狙われた、「郵便不正事件」捜索のプロセスのなかで、「証拠が改竄されていた」と暴露した調査報道は、検察官の人権無視の頽廃を暴いた、大スクープだった。ジャーナリズムでの権力批判の記事として、画期的である。 この報道は、すでに「新聞協会賞」を受賞しているのだが、ジャーナリスト魂を顕彰する石橋湛山記念ジャーナリスト大賞にふさわしい、との判断によって積極的に授賞作とした。
    権力の横暴を監視し報道することは、市民にとっての権利意識の向上につながり、証拠開示や取り調べの可視化にも道をひらく。市民の権利拡大に貢献する報道として、貴重である。(鎌田慧)
  • 受賞コメント:特捜部の捜査に問題はなかったのか――。検察を揺るがすことになる報道は、郵便不正事件で無実を訴えた厚生労働省元局長の公判取材で抱いた素朴な疑問がきっかけでした。事実を積み重ねる調査報道が実を結んだと受け止めています。今回の受賞を励みに、「権力への監視」というジャーナリズム本来の役割を果たせるよう、努力していきたいと思っています。

草の根民主主義部門 大賞

  • 作品名:報道特別番組「英霊か犬死か~沖縄靖国裁判の行方~」
  • 受賞者:琉球朝日放送 報道制作局 報道制作部 ディレクター 三上智恵
  • 発表媒体:琉球朝日放送
  • 発表年月日:2011年3月31日
  • 受賞理由:軍人、軍属として国に命を捧げた人々が“英霊”として祀られる靖国神社に、沖縄戦で死んだ一般住民約6万人がともに祀られている事実はほとんど知られていない。それを知らしめたことだけでも、このドキュメントの功績は大きい。沖縄の住民にとって加害者である日本人兵士と並んで“軍神”となり、太平洋戦争をともに戦った“英霊”とされるのは、はかりしれない苦痛である。
    “皇軍”のなれの果ての実態を知ってしまった沖縄戦の遺族たちから、肉親の名前を霊璽簿記から外してほしいという訴えの裁判が始まった。番組では、日本兵によって壕を追い出された母親が、日本軍に壕を提供した“軍属”として靖国に祀られ、スパイと見なされて日本軍に虐殺された住民が、日本軍の秘密を守るため自ら命を差し出したと解釈されて、軍人恩給に相当する援護年金を支給するなどの驚くべき欺瞞行為が、当事者たちの証言で洗いざらい暴露された。これは沖縄のテレビ局でなければ作れない執念のドキュメントである。(佐野眞一)
  • 受賞コメント:沖縄戦で死んだ民間人6万人余が「英霊」として靖国神社に祭られている。なぜ肉親が「戦闘協力者」なのか。削除を求め裁判を起こした遺族らは肉親の死を敢えて「犬死」と突き放し、再び先祖の地を差し出し、命を差し出す沖縄になってはいけないと叫んだ。勝訴せずとも、彼らの覚悟が何かを動かすということをこの受賞が証明してくれたと感激している。

文化貢献部門 奨励賞

  • 作品名:ドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」
  • 受賞者:映画監督 鎌仲ひとみ
  • 発表媒体:渋谷ユーロスペース他劇場と全国約400ヶ所の自主上映
  • 発表年月日:2010年5月1日~現在
  • 受賞理由:一貫して原発建設に反対してきた祝島のおばさんたちの顏がまぶしい。自分たちの生まれた島に誇りを持ち、そこでの自然と文化を守るための戦いだ。美しい海で海藻や鯛をとり、無農薬のびわを作る地に足のついた戦いは折れることがない。島に住みついた若者がそれを支える。
    スウェーデンでの詳しい取り組みの紹介よりも、一人ひとりのおばさんの声をもっとききたかった。
    このドキュメントが3.11より以前に作られていることに意義がある。その先見性を高く評価すると共に、もしこの映画が、3.11以後に作られていたらどう展開したかを知りたくなった。(下重暁子)
  • 受賞コメント:栄誉ある賞をいただき感激です。29年にもわたり美しい海とふるさとを守りたいと上関原発に反対し続けていらした祝島の方々の取り組みと映画へのご協力があったからこその受賞だと受け止めています。国策や大きなプロパガンダに屈しないその反骨の精神をこそ大切にしていきたいと、スタッフ一同この賞を励みにしていきたいと思います。
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