Notice大切なお知らせ

第13回-2013年度 授賞作品

第13回(2013年度)石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞 授賞作品

草の根民主主義部門 大賞

  • 受賞者氏名:「波よ鎮まれ」取材班 代表 沖縄タイムス社 特別報道チーム兼論説委員 渡辺豪
  • 受賞作品名:連載「波よ鎮まれ~尖閣への視座~」
  • 発表媒体名:沖縄タイムス
  • 発表年月日(期間):2012年11月18日~2013年7月4日
  • 受賞理由:見たくないものに目をつぶっているうちに、私たち本土の人間には、本当に前が見えなくなっているのかもしれない。そのひとつが領土問題である。沖縄の人々にとっての共生の島と海は、分断され、裏切られ、奪われてきたものだ。彼らから見える「尖閣問題」は違う姿を現す。そして今、そこに生きる人々の声をかき消し、開戦をあおる報道さえ現れ、対立の構図は激化している。翻弄される現地の人々は、沖縄が最前線となり、再び日本の「捨て石」にされる危機感を募らせる。彼らから見える日本国家の「偏狭な領土ナショナリズム」と、人々の内部に持ち込まれた亀裂をも報告する、優れたジャーナリズムの報告である。(広河隆一)
  • 受賞者コメント: 尖閣国有化以降、領土ナショナリズムをあおるメディア情報があふれ、平和的解決を求める声がバッシングを浴びる異様な世論状況を目の当たりにし、強い切迫感の中で企画を立ち上げました。国全体を一つかみで捉える「中央の視点」ではなく、日常の取材で触れることのできる「個」の権利や幸福を今後も大切に報じたいと思います。

文化貢献部門 大賞

  • 受賞者氏名:ETV特集「永山則夫100時間の告白」取材班  代表 日本放送協会 大型企画開発センター チーフ・プロデューサー 増田秀樹
  • 受賞作品名:ETV特集「永山則夫100時間の告白 ~封印された精神鑑定の真実~」
  • 発表媒体名:NHK Eテレ
  • 発表年月日(期間):2012年10月14日
  • 受賞理由:「永山則夫」はひとつの時代を刻んだ記号でもある。「貧困」「金の卵」「上京少年」「死刑制度」「永山基準」。ひとりの少年がどうして「連続殺人事件」を引き起こし、処刑されるに至ったのか。永山則夫を精神鑑定した医師が秘蔵していた録音テープに依拠して、彼が犯罪に追い込まれていった軌跡を再現した。絶望を語りながらも、永山のどこか自分をみつめている静かなモノローグは、鑑定医への信頼を表している。「永山事件」は、子どもと家庭、子どもと社会、「虐待」と「ネグレクト」を考えるためのもっとも極端な例題だが、鑑定医へのインタビューをかさねて、より重層的な構成になっている。厳罰主義が横行しているなかで、犯罪者の真実にせまり、人間的な回復を目指す姿勢が評価された。堀川恵子ディレクターは、この作品を『永山則夫-封印された鑑定記録』(岩波書店)として上梓している。(鎌田慧)
  • 受賞者コメント:この度は栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。精神鑑定の録音テープは、少年を取り巻く人間関係の断絶、殊に現代に繋がる家族の問題を浮き彫りにしました。厳罰化が進む日本社会、犯罪へと至る心の闇に向き合う作業がおざなりにされる現実に一石を投じようと決断した石川義博医師とともに受賞を喜び、改めて今後の持続的な取り組みを決意しています。

公共奉仕部門 奨励賞

  • 受賞者氏名:朝日新聞東京本社報道局経済部 木村英昭 朝日新聞社デジタル本部デジタル委員 宮﨑知己
  • 受賞作品名:「東京電力テレビ会議記録の公開キャンペーン報道」
  • 発表媒体名:朝日新聞
  • 発表年月日(期間):2012年6月28日~継続中
  • 受賞理由:すべてを現場に投げる首脳陣、子・孫会社に頼りきった外部依存体質、バッテリーもなく運転手もいない無防備態勢~テレビ会議の映像は過酷事故に遭遇した特権企業の驚愕ぶりを臨場感、緊迫感たっぷりに伝えている。これは確かに「世界記憶遺産」に値する。それを公開しない隠蔽体質に突破口を開こうとするキャンペーンの執拗さと一定の成果を評価したい。そもそも国民と世界を震撼させる事故を起こしながら誰も責任をとらない不思議な国。真っ先に果たすべき責任は正確な情報公開だろう。テレビ会議の公開も肝心なところは伏せられたままだ。他にも東電と政府が公開すべき情報は山ほどある。これを一里塚に徹底した情報公開を迫るよう期待したい。(竹内謙)
  • 受賞者コメント:福島原発事故の検証に不可欠な最重要資料は隠され続けました。公開を拒む東電の姿勢を転じさせたのは報道の力でした。報道で得た成果物が、書籍や論文、記録映画として形を変えながら市民に活用され続けていることを最も嬉しく思っています。報道は誰のためにあるのか――本賞は改めてそれに光を当ててくれました。感謝します。

公共奉仕部門 奨励賞

  • 受賞者氏名:「原子力“バックエンド”最前線」取材チーム 日本放送協会 大型企画開発センター プロデューサー 林新 ディレクター 酒井裕
  • 受賞作品名:BSドキュメンタリーWAVE「原子力“バックエンド”最前線~イギリスから福島へ~」
  • 発表媒体名:NHK BS1
  • 発表年月日(期間):2013年3月9日
  • 受賞理由:日本のメディアの特徴の一つは、常に先頭に立って世論をリードしようとする点である。与党にモノを言える野党がない国にはこのような「立場のはっきりした」メディアは必要かもしれないが、有権者が主役の民主主義社会においてはなるべく多くの情報を提供するのがメディアの最も重要な役目の筈である。「原子力バックエンド」は、イギリスで数十年前に事故を起こした発電所の廃炉の進み具合および現在運転中の原子力炉から出てくる使用済み核燃料の再処理などに焦点を絞り、視聴者のインテリジェンスを尊重しながら原発の「目に見えないツケ」を紹介している。福島第一原発の後処理の参考となる外国の一例を、有権者および政策立案者に冷静な姿勢で提供することにより、番組制作者は民主主義社会におけるメディアの最も崇高な使命を果たしたと言える。これからも、パニックに惑わされないクールなドキュメンタリーをどんどん世に出してほしい。(アンドリュー・ホルバート)
  • 受賞者コメント:現在、日本最大の課題である東京電力福島第一原発の廃炉作業。導入が必須とされる諸外国の技術や知見とはどのようなものなのか。それを知るため、事故処理や廃炉といった「バックエンド」を先進的に進めているイギリスをルポしました。政府や企業が一体となった専門機関の創設や、廃炉への根本的な考え方など、日本が学ぶべき姿ばかりです。今回の受賞を経て、引き続き福島の廃炉作業の有り方を問うていきたいと思います。
Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/top/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる