アジア次世代指導者奨学金プログラム開催 総勢130人以上の学生が集結

アジア次世代指導者奨学金(Asian Future Leaders Scholarship Program、略称AFLSP)のサマープログラムが、8月3日から24日まで本学政治経済学部が主催し、早稲田大学で開催されました。本プログラムは、百賢アジア研究院(BXAI)の奨学金制度の一環として行われ、アジア各国の学生が一堂に会し、建設的な対話を通して相互理解を深めながら、生涯にわたる友情を育みました。

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AFLSPは、異文化間の国際教育を通して平和と発展の促進を目指す次世代リーダーを育成するため、「異なる文化の架け橋を築く」という百賢アジア研究院のミッションに基づいて展開され、アンカー大学である早稲田大学の使命とも合致しています。中国、日本、韓国、台湾の16大学の100名以上の優秀な学生に対して学費と生活費を支援しており、2016年には第1期生が卒業しました。卒業生たちが緊密なネットワークを築き、ボーダーにとらわれない活動を通して協力していくことが期待されています。

今回のサマープログラムには、中国、日本、韓国、台湾のBXAIパートナー大学に在籍する総勢130人以上の奨学生が参加しました。8月3日の開会式では、株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長であり、本学卒業生である柳井正氏と、ハーバード大学名誉教授のエズラ・ヴォーゲル氏がそれぞれ講演を行いました。

柳井氏は、「Go Beyond Borders-世界をより良い方向に変えていくために」と銘打った講演において、思慮深い考え方を身に付け、志を同じくする友人同士のネットワークを広げ、人のために努める人間となるよう熱く呼びかけ、「世界に根強く存在する既成概念やさまざまな古いしがらみ、閉鎖的な習慣、既得権益の枠組み、自分自身の心の中の壁、そういったさまざまなborderを超えてください。世界は良い方向に向かっています。大きな希望を持って世界中とつながり、一人ひとりの生活が、そして社会全体がより良くなるように考え、行動していただきたいと思います」と語りかけました。

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柳井正氏

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」や「鄧小平 現代中国の父」といった著名な書籍を多数発表してきたヴォーゲル教授は、東アジアの政治、社会、経済等の分析をもとに、「日中間の長い歴史」について奨学生と語り合いました。教授は、「長期的には中国はより開放的となるでしょう。それは避けられない。やがて党内にも民主主義の思想が広がっていくでしょう」と語り、「私たちはインターネットや海外旅行を通じて、直接物事を見たり、自分自身で注意深く証拠を検証したりしながら学ぶことで、自分自身で判断を下すことができるようになる」と訴えました。長年に渡り異文化交流を推進してきた教授は、学生が個人レベルで国家間の関係を改善する大使としての重要な役割を担うよう奨励しています。

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エズラ・ヴォーゲル氏

プログラムでは、3週間にわたって芸術、科学、政治、学術、非営利団体、財界等各界を代表する50人以上の著名人が講師を務め、学生と交流しました。また、百賢アジア研究院の賛同者と関係者をあわせて200人以上が参加し、東アジアの国際課題に関する意見交換や刺激的なチームビルディング課題に取り組み、自己啓発・グループプロジェクトだけではなく、小旅行やスポーツ、芸術鑑賞を共にしました。

プログラムは例年テーマを設定しており、今回はアジア全域に関連する5つのテーマに着目しました。(1) 科学とサステナビリティ、(2) 東アジアの恒久的な平和、(3) ポップカルチャーの影響、 (4) アジアの貧困問題とグローバリゼーション、(5) 高齢化社会とアジアにおける女性の役割です。急速に進化するビッグデータという前例のない課題も取り上げました。若い次世代リーダーには知性だけではなくビジネス感覚も求められ、さらにこうした課題を解決するには、情報をふるいにかけ、新たなアイデアと現実的な施策を考案し、国境を越えた取り組みを推進する力が不可欠です。

こうした若手リーダーに求められる能力や要件と5つのテーマに沿って、社会企業家ワークショップが実施され、奨学生は基本的な起業スキルを学び、身に付けました。さらに本学教員の引率で、広島と東北の2チームに分かれ研修旅行を行いました。広島では被爆地を訪れて被害者と交流し、第二次大戦の悲劇的歴史を振り返り、進むべき道について話し合いました。東北では東日本大震災の被災地を訪れ、復興と地域再生への固い決意に感銘を受けました。

3週間にわたるプログラムを締めくくる閉会式では、恒隆地産会長でアジア・ソサエティー・グローバル・コーチェアのロニー・C・チャン氏の基調講演が行われました。チャン氏は、「新世界の課題」と題した講演で自身が属するベビーブーマー世代の功罪と、今日の若者が直面する課題について考察しました。チャン氏は、戦後の平和と高度成長期の恩恵を受けながら多くの問題を次の世代に残すなど、ベビーブーマー世代は最も幸運でありながら最も我儘な世代だと嘆きつつ、若い世代がそうした問題に立ち向かうためのアドバイスをおくりました。

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ロニー・C・チャン氏

質疑応答の場で、チャン氏は「信念の重要性」について、「皆さんがどんな人間を目指すべきかについて、2つの提言があります。まずは多文化理解者、少なくとも2つの文化を身に付けた人間になってください。そのためには外国語を学び、旅をし、幅広く読書し、さまざまな国・宗教・バックグラウンドの人と友達にならねばなりません。しかし何よりも大切なのは、信念を持つことです。たとえ全世界を敵に回してでも、決して孤立を恐れて妥協してはなりません。つまるところ、重要な転換点の歴史はそうした信念を貫いた少数の人の手で書かれています」と強調しました。

チャン氏に続いて、百賢アジア研究院諮問会議メンバーで麻生セメント株式会社代表取締役会長の麻生泰氏が、閉会の辞を述べました。麻生氏は、「この数週間で皆さんの心にまかれた理解と信頼の種を大切にして下さい。引き続き、課題と向き合い、解決策を考え、文化を越えた頑丈な架け橋を築く中で、その種を長く続く有意義な友情へと育てて下さい」と語りかけました。

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麻生泰氏

閉会式の締めくくりとして、2016年サマープログラム修了書が奨学生に授与されました。最後に早稲田大学から来年夏のホストとなる国立台湾大学への引き継ぎが行われ、3週間にわたるプログラムは幕を閉じました。

Handover from Waseda to National Taiwan University

早稲田から来年ホストする国立台湾大学へバトンタッチ

 

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閉会式の様子

修了証を授受した学生:

 

 

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閉会式の様子

百賢アジア研究院について

百賢アジア研究院(BXAI)は2014年1月、ロナルド・チャオ(曹其鏞)氏の寄付で設立した百賢教育基金会から出資を受けて設立された非営利団体です。設立の根底には、教育こそが繁栄をもたらし持続可能で平和な現代アジアへの鍵であるという信念があります。百賢アジア研究院(BXAI)は、価値観やビジョンを共有するステークホルダーの間でコミュニティーを構築し、東アジア地域に異文化理解や学際的な教育の場を提供しています。

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以下の動画は、百賢アジア研究院が2016年12月に公開したものです。

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