早稲田文化芸術週間2015 Waseda Vision150特別企画 「未来の早稲田を、描き変えろ。」
Waseda Vision 150 特別企画「未来の早稲田を、描き変えろ。」が開催されました。学生の自由な発想にもとづいた、創立150周年の2032年の理想的な各キャンパスのイメージを募集し、そこから選ばれたアイディアをもとに、早稲田大学栄誉フェローの藪野健名誉教授が、未来の早稲田像を即興で描いたイベントです。最終選考に残った6名の参加者と橋本周司副総長、藪野健名誉教授が未来の早稲田について語り合いました。
多彩な交流を楽しめる「異文化交流カフェ&バー」、つながるキャンパス「ヴァーチャル学習室」、早大生が教授に!?「早稲田の学び舎」、自由と賢慮「早稲田の森の天空庭園」、みんなで早稲田の楽しいを成長させよう!「FUNを共有する電子パネル」、次世代への貢献「早稲田の守森」など、参加者が思いをこめた様々なアイディアが発表されました。

学生の提案を即興で描く藪野名誉教授
藪野名誉教授は、絵を描きながら何度も「面白い」とコメントし、終始にこやかな雰囲気のなか、イベントは進行していきました。個々のアイディアが描かれた作品は参加者にプレゼントされ、全員の案をひとつにまとめた作品『未来のキャンパスマップ』は本学に寄贈されました。
発表後におこなわれた質疑応答で、「先生はどこで絵を習ったのですか?」という参加者の質問に対し藪野名誉教授は、
僕は美術を習ったことがない。高校の美術の成績は「3」だった。先生に『君の絵はダメだね』と言われて、芸大へ進もうとも考えたこともなく、受験して早稲田に行こうと思った。絵とは何か?と考えたら、どこへでも行ける、誰とでも出会える、どこでも住める。画材の使い方も分からないけど、何か方法を与えられて変えていくより、自分で編み出していった方がいい。だから先生はいないし、学閥にも属していない。つまり、みなさん全部できるということです。今日から絵を描きませんか?
自身の来歴をまじえたお話に、この日一番のどよめきが起こりました。
全体をふまえての総括で、橋本副総長と藪野名誉教授は、つぎのようなコメントをしました。
橋本副総長
アイディアはやがて実現できるだろう。時間はかかるかもしれないが。できてから『それは自分が言ったんだよ』というのではダメ。今考えたもののために、自分が何をするべきかというところにぜひ踏み込んでほしい。考えたということはすごい意味をもつようになる。
今の大学は緊張感がなくなってきている。教員が自分の教えていること以外に学生に問い詰められることがない。学生がもっと意見を出して刺激を与えてほしい。
日本の社会は大学に助けを求めなくてはいけない状況になっている。ここで大学がきちんとやるべきときがきた。チャンスがきた。大学生が主人公になって、もう一度大学を支える仕組み、気持ちを持つことが僕の夢です。今日はそれが証明された。
藪野名誉教授
アイディアが発信されたわけだから、今度は責任をもって実現する。心に訴えかけてくることは、社会とのコミュニケーションが大事だということを若い人が発言してきたことです。グローバルに発信すること、それにはどういうシステムが必要か考える。みんなできることです。
学生のアイディアに対して前向きなメッセージを発信する橋本副総長と藪野名誉教授。輝く未来のWASEDA像を会場中で共有できた貴重な一日となりました。